装画はフジモト・ヒデト。装幀は新潮社装幀室。書き下ろし。
主人公で高校一年生の語り手の僕、嵯峨野リョウは2年前に事故死した恋人、
諏訪ノゾミを弔うため東尋坊を訪れます。
強い眩暈に襲われ崖下へ落ちたはずが、気がついたのは見慣れた金沢の街中。
自宅へ戻ると見知らぬ女性がいて、自分の家と主張されます。
この女性:存在しないはずの気さくな2歳年上の姉、嵯峨野サキを通して、
リョウは「自分が生まれなかった世界」に来ていることがわかりますが・・・。
米澤さんのは『春期限定いちごタルト事件』、『夏期限定トロピカルパフェ事件』、
『犬はどこだ』に続いて4つ目です。
今回はパラレルワールド(多次元宇宙・平行世界。
文中では可能世界)の概念で、物語を創造しています。
サキとのやりとりで相違点を知り、戸惑いを覚えながらも平静を保つリョウは翌日、
衝撃的な出来事に遭遇。
翌々日、新たに導かれた推理で、サキが危機を未然に防ぐための行動に出ます。
「どうしようもないことは、受け入れるしかない」が持論で、
終始ネガティブになりがちなリョウを、明るく物怖じしないキャラクターのサキが
リードしていく展開です。
ただ、物語の最後にリョウが悟ってしまったこと、タイトル“ボトルネック”の暗喩、
その世界に呼ばれた意味・理由、
…たどり着いた結論はあまりにも痛々しく残酷でした。
読み終わった後、つらく深い絶望が伝わってきて、かなりのダメージを感じました。
悪意の人物の怖さだけでなく、米澤作品の中でもこの苦い終わり方は
最高レベルかもしれません(『さよなら妖精』や“古典部シリーズ”は未読)。
印象に残った言葉:あの夜は、必然的にそうなるしかなかった通過点ではなく、
分岐点だったと言うのか。(p54)
そしてp154の謎解き(?)とp180からの推理が秀逸でした。
芦原温泉駅にいた川守少年、何か気になります・・・(p161)。
関連情報 米澤穂信の読了本
・・
春期限定いちごタルト事件 米澤穂信・・
夏期限定トロピカルパフェ事件 米澤穂信・・
犬はどこだ 米澤穂信・・
インシテミル 米澤穂信・・
遠まわりする雛 米澤穂信
楽天からも購入できます。
ボトルネック 米澤穂信
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ボトルネック発売元: 新潮社価格: ¥ 1,470発売日: 2006/08/30売上ランキング: 3199posted with Socialtunes at 2006/09/14傑作だ。だけど、誰にも薦めたくない。今読みおわったところで非常に動揺している。頭の中が爆発寸前で、割れる直前の風船みたいになってしまった。
『ボトルネック』米澤穂信(新潮社)噂の、問題作です。なるほど、これはすごいわ。最後とかかなり衝撃的でした。びっくりした。二年前に死んだ恋人を弔うため東尋坊に来ていた僕は、バランスを崩して崖から落ちてしまった……はずだった。が、気づけば見慣れた場所にいた。
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ボトルネック米澤 穂信 (2006/08/30)新潮社 この商品の詳細を見る二年前に崖から転落して死んだ恋人の弔いに訪れた高校1年生のリョウはめまいを感じて同じところから転落してしまう。しかしなぜか自分の住んでいる町
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ボトルネック≪内容≫懐かしくなんかない。爽やかでもない。若さとは、かくも冷徹に痛ましい。ただ美しく清々しい青春など、どこにもありはしない――。青春ミステリの旗手、最新書き下ろし長編 (出版社/著者からの内容紹介より)
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いわゆるパラレルワールドストーリー物である。Aの世界とBの世界、同じ世界だけど、どこかが少し、もしくは大きく違っている、そんな世界を多くの場合一人称視点で描いていく。 この手の物語の最初のハードルは、主人公にパラレルな世界に来てしまった!と、いつ気付か
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ボトルネック米澤さんの青春小説しかもパラレルワールドものということで、パラレルワールドからどうやって元の世界に戻るのか?日常レベルを越えた謎解きがあるのかな・・なんて考えながら、かなり期待をして読みはじめたのです。で、読み終えて呆然としました。後味が....
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『ボトルネック』 ボトルネック 著者/訳者名 米澤穂信/著 出版社名 新潮社 (
米澤 穂信 ボトルネック…………本、1冊。丸々使って、主人公に言わせたことが「間違い」だなんて。これだけ悲しい終わり方は他にないと思います。救いなんて、これっぽっちもない。ちょっとだって、夢を見せてくれない。でも、言わせてもらえるのなら
米澤穂信『ボトルネック』(新潮社、200608) うわ、これは・・・。 面白いと思うけど、いいの? これ。 リョウの世界は、色がないような、金沢の暗い空のような世界なのに、 サキのいる世界は、サキのスクーターのようなオレンジ色のある世界じゃん。 いいの? こんなに
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■やぎっちょ読書感想文
ざっ、ぷーんの東尋望
東尋望をご存知ない方のためにやぎっちょが物語風にご説明いたしましょう。ある、家庭の食卓。
長女「ねえ今度の週末家族でどこか行こうよ」
母「あら、いいわねぇ。ねぇ、お父さんどうかしら」
父「...
JUGEMテーマ:読書
読書期間:2008/7/22~2008/7/24
[新潮社HPより]
懐かしくはない。爽やかでもない。若さとは、かくも冷徹に痛ましい。
二年前に死んだ恋人を弔うため東尋坊に来ていた僕は、バランスを崩して崖から落ちてしまった……はずだった。が、気づけ
ボトルネック
恋人を弔うため東尋坊に来ていた僕は、強い眩暈に襲われ、そのまま崖下へ落ちてしまった。―はずだった。ところが、気づけば見慣れた金沢の街中にいる。不可解な想いを胸に自宅へ戻ると、存在しないはずの「姉」に出迎えられた。どうやらここは、「僕の産...
ボトルネック 米澤 穂信 (著) パラレルワールドってあるのか。 たまにそんな事を考えてみたりする。 この本はまさにそんな感じの本。 読みやすいのでサクッと一気に読めます。 若い作家さんらしい本ですなぁ。 このミステリーがすごい2010年の1位らしいですが・・?...
他の方の感想をネット上で読んだところ、ダメージ受けてる人がそんなにいなかったので藍色さんの感想読んでほっとしました。いや、わたしはダメージ受けすぎなんですけれど。コンディションが悪いとき読んだのが敗因かな……