粋な提案

ウルトラマンたちは、なぜ命を賭けて戦うのだろう。
異星人である私たちのために。
若き地球防衛隊員を通して描く、ウルトラマンメビウスの活躍と葛藤。
一級品のSF小説として描かれた、ファン必読の新たな「ウルトラマン」像。

個性派なＧＵＹＳの面々や、歴代ウルトラシリーズへのリスペクト。
物語の主人公であるＧＵＹＳ研修生・ハルザキカナタの存在が異色です。
ＧＵＹＳ面々をこき下ろし、ウルトラマンも「所詮は異星人」と警戒するダークさ。
リアルにハスに構えている黒い感情の存在は、一瞬戸惑うほどに強烈です。
そこから章が進むごとに思いを改めていくカナタに感情移入。
テレビシリーズで著者が脚本を担当した三作品の再構成もお見事。
研修を終えるラストシーンでは、清々しい感動さえ覚えました。
カナタの心の傷が徐々に癒され、成長していく過程の物語として昇華しています。
朱川節の優しさと切なさ、ウルトラファンなら一見の価値ありのオマージュ作品。
「ウルトラマンメビウスアンデレスホリゾント」朱川湊人さんのウルトラ愛が素敵です。

ウルトラマンメビウス アンデレスホリゾント 朱川湊人

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