元殺し屋の「木村」は、幼い息子に重傷を負わせた相手に復讐するため、
東京発盛岡行きの東北新幹線“はやて”に乗り込む。
狡猾な中学生「王子」。腕利きの二人組「蜜柑」&「檸檬」。ツキのない殺し屋「七尾」。
彼らもそれぞれの思惑のもとに同じ新幹線に乗り込み―物騒な奴らが再びやって来た。
『グラスホッパー』に続く、殺し屋たちの狂想曲。3年ぶりの書き下ろし長編。
電車に乗り合わせた者たちが遭遇するサスペンス。
徹頭徹尾海千山千の個性的な殺し屋たち、狡猾で残忍な少年の間で進むドラマ。
スリリングな展開に負けないくらい、彼らの会話の絶妙さが魅力的です。
3組の物騒な人間たち。蜜柑と檸檬、王子と木村、七尾と真莉亜の交わす言葉。
深刻で複雑な状況なのに時に軽妙、時にシニカルに漫才めいた応酬で楽しめます。
ふたりともやたら好きな小説やアニメの一節の引用をする蜜柑と檸檬が特に可笑しい。
各自「悪霊」と「機関車トーマス」に関連させて考えを語って食い違い方も巧妙。
人の心理を操り、精神的に優位に立ち大人を手玉に取る嫌味で悪意の塊のような王子。
ツキのなさを嘆きつつ、窮地には凄まじい頭脳と身体の切れ味のてんとう虫・七尾。
強烈としか言いようのないユニークで個性的なキャラクターが際立っています。
重なるバッドタイミング。絶体絶命でのプロフェッショナルとして死力を賭けた闘い。
心理戦とアクションの波状攻撃を堪能、ラストの収め方の鮮やかさに唸らされました。
いまひとつ最後まで掴めなかった七尾のキャラでしたが、
他人の悲しみ、不幸をごっそり背負う人と考えると、キャラの薄さが妙にしっくり。
伏線のはり方と回収、殺し屋達の攻防にワクワクし、登場人物の魅力に夢中になる。
まさしく伊坂幸太郎さんならではのエンターテインメントを存分に味わえる会心作。
聖虫「マリアビートル」伊坂幸太郎さんの面目躍如。伊坂ワールド健在の作品です。

楽天からも購入できます。
「マリアビートル」伊坂幸太郎
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JUGEMテーマ:小説全般
 新幹線で繰り広げられる「仕事」の数々。グラスホッパーを読んだ人はぜひ読むべきです。マリア・ビートルを読んだ人はグラスホッパーを読むべきです。
非日常的な出来事の数々。すべての人が主人公で全てのひとが全てのひとの脇役であ?...
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~あの殺し屋たちが帰ってきた!
舞台は『東北新幹線』生き残るのは誰だ!!~
木村渉という六歳の男の子がデパートの屋上から突き落とされた
突き落とした犯人は『王子』という中学生
...
角川書店Amazon
面白いと思えない本は無理して読むな、と言いますよね。
私が実際に途中で読む事を止める事は滅多にありません。
以前も申した気がしますが、どんな本も50頁までは読む主義です。
50頁の...
FIREBALLのTAKAに借りていた伊坂幸太郎さんの『マリアビートル』を読み終
グラスホッパーの続編です。とはいえ、すでにうろ覚えですが。殺し屋たちのお話です。さまざまな出来事が絡まりあって転がり落ちるように新たな展開を生んでいきます。今回は確信犯まで混ざってますからね。なんも考えずにどっぷりとフィクションの世界を楽しめます。ただ...
↑これはイメージです 本とは関係ありません
伊坂 幸太郎さんの 「マリアビートル」 という本を
読みました。 面白くて最高でしたよー!!
マリアビートル伊坂 幸太郎
元殺し屋の「木村」...
先に読んだ『グラスホッパー』の続編です。
どうしても読みたくなったので、新刊で購入しちゃいました!!
マリアビートル(2010/09/23)伊坂 幸太郎商品詳細を見る
伊坂さんの新刊です。
これで、現在刊行されている作品は全て読めたはず♪
文庫化で再読した「ゴールデンスランバー」や
「オー!ファーザー」など...
同じ作家の本の紹介はすぐにしないつもりでしたが
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伊坂幸太郎さんのマリアビートル。
マリアビートル(2010/09/23)伊坂 幸太郎商品詳細を見る
...
マリアビートル伊坂 幸太郎 角川書店(角川グループパブリッシング) 2010-09-23by G-Tools
元殺し屋の「木村」は、幼い息子に重傷を負わせた相手に復讐するため、東京発盛岡行きの東北新幹線“はやて”に乗り...
元殺し屋の「木村」は、幼い息子に重傷を負わせた相手に復讐するため、東京発盛岡行きの東北新幹線“はやて”に乗り込む。狡猾な中学生「王子」。腕利きの二人組「蜜柑」&「檸檬」。ツキのない殺し屋「七尾」。...
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殺し屋の話です。
殺し屋の話ですが、題にもなっているてんとう虫について、書かれているフレーズが
あります。本はもう手元にはないので、な...
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お...
相変わらず、毎日のように本を読んでいるのですが
最近はこれ!と思うようなものが あまり回って
来てなくて。
(↑図書館で予約した本が順番に回ってくるので、
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舞台といい、設定といい、世界観といい、伊坂幸太郎らしい。 ひさびさに「グラスホッ
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マリアビートル(2010/09/23)伊坂 幸太郎商品詳細を見る
最近の伊坂作品は、なんかおもしろ...
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こ...
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殺し屋が登場するということは、『グラスホッパー』と同じ系列の作品かなと思って読んでいったら、その通りだった。もっとも、『グラス ...
マリアビートル(2010/09/23)伊坂 幸太郎商品詳細を見る
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マリアビートルposted with amazlet at 12.05.28伊坂 幸太郎 角川書店(角川グループパブリッシング) 売り上げランキング: 3760Amazon.co.jp で詳細を見る 「あのな、自分の立場なんてのは行動次第で次々、変わっていくんだよ」 ……木村 大…
マリアビートル 伊坂 幸太郎 (著) 東北新幹線「はやて」内で起こる殺し屋達の物騒な事件。 それぞれ殺し屋達の間で起きている事件が最後にはひとつに繋がる。 絶対にありえないけどひょっとしたら?って思えてもしまう(笑)そんなわけないか・・・。 幼い息子に重傷?...
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[マリアビートル (英題:MARIABEETLE)]
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物騒な奴らが再びやってきた!
ノンストップエンターテインメント
酒浸りの元殺し屋「木村...
読書好きにはたまらない素敵なブログですね。私は読書が大好きですが決まったジャンルや作家に偏りがちです。藍色さんのブログを少しずつみながら読みたい本を発掘していこうと思っています。私は本の日記は不定期なのですがよかったらまた遊びに来てくださいね。私もまたお邪魔します。