粋な提案 |「放課後はミステリーとともに」東川篤哉

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「放課後はミステリーとともに」東川篤哉

鯉ケ窪学園高校探偵部副部長・霧ケ峰涼の周辺には、なぜか事件が多い。
校舎から消えた泥棒、クラスメ-トと毒入り珈琲一族との関わり、
校外学習のUFO騒動――解決へ意気込む涼だが、ギャグが冴えるばかりで推理は発展途上。
名推理を披露するのは探偵部副部長なのかそれとも？ユーモア学園推理の結末は？

久々の鯉ヶ窪シリーズ。今回は短編集で探偵部副部長の霧ヶ峰涼が全編の主人公です。
全８篇の短編で構成されていて、話が軽快に進んで気持ちがいいです。
タイトルやカバーイラストからも伝わるように学園を中心に展開するミステリー。
探偵兼語り部の主人公を始め、登場人物のほとんどが高校生となっています。
霧ヶ峰涼のエアコン効果のおかげでしょうか、とっても爽やかで楽しく面白い内容。
会話や説明など全体の雰囲気は明るくドタバタと賑やかに物語は進んでいきます。
涼は事件を軒並み解決していく名探偵というわけではなく、ごく一般的な高校生です。
作者の作品は長編でもかなり読みやすいですが、短編なのでさらにサクサク読めます。
話自体は長くないのですが情景が目に浮かび、読者も一緒に考えさせてくれます。
本来の野球ネタ、オヤジ受けネタを網羅した本格トリック満載ユーモアミステリー。
日常の謎的な軽いものから驚かされる大胆なものまで、バラエティに富んだ仕掛けや、
周到に織り込まれた伏線の数々を愉快な会話を交えつつ理詰めで紐解いていく展開。
読者の固定観念にぐいぐい迫ってくるミステリー要素が多いです。
意表をついていて簡単に解決できないゆえの読み応えがあり楽しめます。
加えて主人公の元気一杯でコミカルな動きが目に浮かび楽しく読むことができました。
また、解決したと思ったら実は…が多く、物語としての面白さもよく練られています。
使い古された感じのする題材もあるのですが、最後まで飽きずに読み進められました。
第一話と先行本で石崎先生が探偵部顧問に就任している記述があり、部長達と霧ヶ峰は
同時期の活躍と思うんですが、赤坂君も八ツ橋も多摩川部長も登場せず残念で謎。
単独活動専門？第二探偵部？。せめて桜井さんには登場して欲しかったです。
「放課後はミステリーとともに」東川篤哉さんの幅広い年代が楽しめるミステリーです。

放課後はミステリーとともに東川篤哉

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「放課後はミステリーとともに」東川篤哉
ネタバレですが、ドラマ化されています。DVDは2012年10月03日発売。出演は、
川口春奈／速水もこみち／広瀬アリス／間宮祥太朗／入山法子／高嶋政伸
1回[表・裏]ゲスト・永瀬匡　井村空美　シルビア・グラブ　田村泰二郎　須田邦裕　
2回[表・裏]ゲスト・モロ師岡　藤村聖子　加藤慶祐　村上友梨　未来弥　児玉磨利　山本圭祐　中田真弘
3回[表・裏]ゲスト・黒部進　温水洋一　あらいすみれ　斎藤陽子　堀井新太　
4回[表・裏]ゲスト・紗也　篠原愛実　宮田はるか　久野雅弘　赤沼夢羅　中田真弘
5回[表・裏]ゲスト・木村文乃　小池里奈　井上正大　斉藤秀翼　佐藤和也