誰かの「いい日」に、ともしびを。たくさんの買い物客がうごめいています。
みんなあんなに生きている。スーパーマーケットの白くあかるい照明にひとしく照らされている。
たくさんの人生の「一日」を、著者ならではの語り口で描く、
吉川英治文学新人賞受賞後、初の書き下ろし小説。
自己破産した男、片思い中の中学生、行き遅れた中年女性──
ここ「ともしびマーケット」で、いろいろな人生が重なり合う。
それぞれの「いい日」を夢見て。
各章ごとに主人公が異なる連作短編集です。マーケットを舞台まわしにしています。
ひとつひとつの話が単独で成り立ち、それらが少しずつリンクしている趣向です。
人物のかすかなつながりや、生活や感情の微妙な起伏を簡潔な描写で描いています。
物語の中で、以前出会った人が何度か登場する作風は好きですし面白かったです。
でも普通の日常なのに、なぜか作品全体として嘘くささが感じられたりしました。
登場人物の名前が変わっていて、何か現実離れしていたのも一因かもしれません。
あと最終話もなんだか一つだけ浮いていて、いらなかったかもです。
それでも独特の語り口と世界がある作家さんなので、今後も期待していきたいです。
「ともしびマーケット」朝倉かすみさんのドラマ化や映画化しやすそうな短編集です。

楽天からも購入できます。

「ともしびマーケット」朝倉かすみ
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朝倉かすみ 『ともしびマーケット』 講談社 (2009)
北海道のとある町のスーパーマーケット「ともしびマーケット鳥居前店」をめぐる九つの物語。ひとつひとつ登場人物は違うけれど
ともしびマーケット (100周年書き下ろし) 著者:朝倉 かすみ 販売元:講談社Amazon.co.jpで詳細を確認する ☆☆☆ 内容紹介 “吉川新人賞受賞後第一作の長編小説” 自己破産した男、片思い
札幌にある「ともしびマーケット鳥居前店」。そこで働く人、買い物に来る人たちが織りなすそれぞれの暮らし。章ごとの主役たちが微妙に交錯していく作りになっています。
言葉のつ
ともしびマーケット (100周年書き下ろし)(2009/07/22)朝倉 かすみ商品詳細を見る
★★☆☆
誰かの「いい日」に、ともしびを。たくさんの買い物客がうごめいています。みんなあんなに生き
『かならずネスカフェなのでした。しかも大瓶なのでした。そいつをむねにふわりと抱え、薄笑いを浮かべつつ、ともしびマーケット鳥居前店店内をうろつきまわる女がいます。髪の長い...
『かならずネスカフェなのでした。しかも大瓶なのでした。そいつをむねにふわりと抱え、薄笑いを浮かべつつ、ともしびマーケット鳥居前店店内をうろつきまわる女がいます。髪の長い...
「残念感」は次に繋がる「期待感」、
などと勝手に解釈いたしました(笑)