本の街・神保町を舞台にした極上サスペンス
四十過ぎの翻訳家・吉野解は、
かつて自分が下宿していた古本屋の二階で謎の美女、白井沙漠と出会う。
粗末な部屋で何度も体を重ねるが、沙漠が解に借金を申し込んだことから歯車が狂い始め・・・。
2009年、秋。
翌年6月から施行の改正貸金業法がもたらすのは、借金からの救済か、破滅か―四十過ぎの翻訳家、
吉野解は貧乏学生の頃に下宿していた神保町の古書店「泪亭」の二階で謎の美女、白井沙漠と出会う。
裕福な家庭に育った妻とは正反対の魅力に強く惹かれ、粗末な部屋で何度も体を重ねる。
しかし、沙漠が解に借金を申し込んだことから「悲劇」の幕があがる―。
学生時代に住んでいた二階で吉野解が白井沙漠と出会い何かが少しづつ狂ってくる物語。
消費者金融に関り落伍する姿を、周囲の視点から時系列をばらばらにして描き出します。
数人の登場人物の日常や、ちょっとした日々の変化が物語をゆっくりと進めていく展開。
三百万円は十分に大きなお金であり、女にとっては人生を左右する額にもなることも。
資産家の娘と結婚し、裕福な環境の吉野にはそれほど大金でもないという沙漠の見込み。
しかし家庭で浮いた存在だった吉野にも、それは人生を左右する金額だったのです。
そして借金。お金持ちになっても逆に借金地獄になっても人を狂わせるお金。
徐々に与えられていく登場人物のバックボーンや話の骨格が読者を引き込んでいきます。
白井沙漠の抱える闇。女性の孤独感を書かせたら桜庭さんは一級品だと思います。
前半は、お金がないことが人間の心に闇を孕ませるような空気感を作り出しています。
後半の消費者金融のシステムをよく調べて説明している部分は正当な印象です。
雰囲気があまりにも違う驚き。二部構成のようで飽きずに読めて全体的には面白いです。
少し物足りない気もしますが、ページを追わせる力はさすが桜庭さんという感じでした。
「ばらばら死体の夜」桜庭一樹さんの引き込まれたら一息で読めるサスペンスです。
楽天からも購入できます。

「ばらばら死体の夜」桜庭一樹
- http://1iki.blog19.fc2.com/tb.php/2163-0c90b037
トラックバック
ばらばら死体の夜(2011/05/02)桜庭 一樹商品詳細を見る
16日。
タイトルからして怖い話か?と思って読み始めたけど、
怖い話ではなくて、とてつもなく暗~いお話でしたね。
雰囲気
著者:桜庭一樹
ばらばら死体の夜(2011/05/02)桜庭 一樹商品詳細を見る
09年秋。改正貸金業法の施行が迫る中、翻訳家である吉野解は、貧乏学生時代に下宿していたアパートで白井沙...
ばらばら死体の夜 作者: 桜庭一樹 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2011/05/02 メディア: 単行本 クリック: 18回 この商品を含むブログ (43件) を見る 久々のミステリ作品ということで『GOSICK...
★*…本の街・神保町を舞台にした極上サスペンス。世の中で起こっている殺人なんて案外こんな風に『身勝手』で、『罪悪感』に満ちてて、理由なんて必要無いものかもしれないと思っ
こちらも記事にトラックバックさせていただきます。