大阪、ミナミの繁華街―。夜の街に棲息する人々の、懸命で不恰好な生き様に、
胸を熱くする力作誕生。
表題作とそのアナザーストーリーにあたる「タイムカプセル」の二編収録。
表題作はキャバレーの呼び込み吉田(40歳)とチーママみさを(29歳)の物語。
「タイムカプセル」は表題作で脇役だったオカマバーのママミミィ(44歳)の物語。
男性「吉田」の立場と女性「みさを」の立場とを交互に描きます。
ピュアに恋をしていくところや人間の嫌な部分をうまく表現。とても共感できました。
ただ、みさをの過食症とも思える行為は、つらくてちょっと受け入れられなかったです。
「地下の鳩」の後の「タイムカプセル」の方がずっと心にしみる作品でした。
いじめについてのテーマ。トラウマが2人の人間の人生にどのように影響したのか。
軽はずみにやったことが、その後どういう傷跡を残すのかについて丁寧に書いています。
こちらも人間の心の内外を巧みに描いていて、読んでいて心が痛いくらいでした。
とにかく重いのですが、すごく引き込まれてしまう作品。本当に素晴らしいと思います。
「地下の鳩」西加奈子さんの暗いのですが重厚で、すごくよい作品です。
楽天からも購入できます。

「地下の鳩」西加奈子
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「退廃」という言葉を辞書で調べてみた。
1 衰えてすたれること。くずれ荒れること。廃頽。「旧家が―する」
2 道徳的な気風がすたれて健全な精神を失うこと。「―した社会」
な ...
地下の鳩(2011/12)西 加奈子商品詳細を見る
ある者は何かしらの結果として、
ある者は確信をもって、
昼に眠り、夜の光の下で笑う。
騒がしい街角で隣り合う三人は、
本当はどこに
地下の鳩 (文春文庫)
西加奈子発売元: 文藝春秋価格: ¥ 572発売日: 2014/06/10
おすすめ:★★☆☆☆
大阪最大の繁華街、ミナミのキャバレーで働く「吉田」は、
素人臭さの残るスナックのチーママ「みさを」に出会い、惹かれていく(「地下の鳩」)。
オカマバーを営む「ミミィ」はミナミの人々に慕われている。
そのミミィがある夜、客に殴り掛かる(「タイムカプセル」)。
...
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