ロンドンから出帆し、波高き北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。
その領主を父に持つアミーナはある日、
放浪の旅を続ける騎士ファルク・フィッツジョンと、その従士の少年ニコラに出会う。
ファルクはアミーナの父に、御身は恐るべき魔術の使い手である
暗殺騎士に命を狙われている、と告げた……。
自然の要塞であったはずの島で暗殺騎士の魔術に斃れた父、
「走狗(ミニオン)」候補の八人の容疑者、いずれ劣らぬ怪しげな傭兵たち、
沈められた封印の鐘、鍵のかかった塔上の牢から忽然と消えた不死の青年――
そして、甦った「呪われたデーン人」の襲来はいつ?
魔術や呪いが跋扈する世界の中で、
「推理」の力は果たして真相に辿り着くことができるのか?
現在最も注目を集める俊英が新境地に挑んだ、魔術と剣と謎解きの巨編登場!
著者からのコメント
『折れた竜骨』は、魔法が存在する十二世紀末のヨーロッパを舞台にしたミステリです。
魔法とミステリの取り合わせに面食らう方もいらっしゃるかもしれませんが、
幽霊や超能力など、現実にはあり得ない力を援用するミステリはけっこうあるのです。
私はかつて、それら特殊な設定を用いたミステリを、心躍らせて読んだものでした。
読者とのあいだに交す約束事さえしっかりしていれば、
その約束事がたとえこの世のものでなかったとしても、ミステリは成立する。
そこにミステリという知的遊戯の懐の深さを見たからです。
本作がどこかの誰かに、かつて私が覚えたような昂奮を与えてくれることを願ってやみません。
舞台はロンドンから船で三日かかる、ソロン島・小ソロン島。
時代と登場人物が独特です。主人公は領主の娘、16歳のアミーナ。
そして魔術を使う暗殺騎士を追ってやってきた、騎士ファルクと従士ニコラ。
食べず眠らず、首を切り落とさないと復活する不死の存在デーン人。個性的な傭兵たち。
暗殺騎士捕獲へ動きだした矢先、伝説の呪われたデーン人がソロン島にやってきます。
魔術と論理の冴えが読み所。描写が丁寧なのでわかりやすく、情景がイメージできます。
またミステリーというよりも「読み物」として物語に入り込みやすいです。
デーン人の呪いは解けるのか、暗殺騎士たちを追い詰め壊滅させることはできるのか。
よく読むとヒントになるような伏線が張ってあり、わかりやすい謎解きになっています。
魔術とは何なのか。最終的には犯人を暴き、納得できるような解決です。
個性的な傭兵たちの結末は?ニコラの旅はどうなるの?アミーナは?私、気になります。
楽しいミステリであり、冒険小説でもあり、少女と少年の成長物語でもあります。
物語としてはいくらでも広がりを感じられるので、シリーズ化を期待しています。
「折れた竜骨」米澤穂信さんの新境地。過去作品を踏まえても面白く読める意欲作です。
楽天からも購入できます。

「折れた竜骨」米澤穂信
- http://1iki.blog19.fc2.com/tb.php/2276-f0f204f0
トラックバック
ロンドンから出帆し、波高き北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。その領主を父に持つアミーナはある日、放浪の旅を続ける騎士ファルク・フィッツジョンと、その従士の少年ニコラに出会う。ファルクはアミーナの父に、御身は恐るべき魔術の使い手である暗殺騎士に命を狙われている、と告げた……。自然の要塞であったはずの島で暗殺騎士の魔術に斃れた父、「走狗(ミニオン)」候補の八人の容疑者、いずれ劣らぬ怪し...
剣と魔法のファンタジー世界での殺人事件を巡るミステリー。
魔法だからって何でもありなのではなくて、この世界なりのルールの中での推理が行われるワケで。
まぁかつての西澤 ...
シックスセンスがテレビでしてますねぇ
この作品を始めてみたときはホントに衝撃の結末でしたねぇ
てか、ブルースウィルスが若い
てかてか、ハーレイ君は今も何かしらの映画にでてるのだろうか・・・
さて、そんな衝撃を求める現在の私・・・
ご紹介する一冊
折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)
(2010/11/27)
米澤 穂信
商品詳細を見る...
天然の要塞ともいえる小島で起きた殺人事件。暗殺騎士に操られているのは一体誰なのか!?
折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)(2010/11/27)米澤 穂信商品詳細を見る
12世紀末の欧州を舞台に展開するフーダニット(犯人探し)。特設ページに相関図、地図があります。
領主の娘アミーナは、父親を暗殺した犯人を探すため、別の理由から犯人を追っている騎士ファルクに協力を仰ぎます。ア...
折れた竜骨米澤 穂信 東京創元社 2010-11-27自己評価:
ソロン諸島の領主を父に持つアミーナはある日、放浪の旅を続ける騎士と、その従士の少年に出会う。騎士はアミーナの父に、暗殺騎士に命を狙われていると告げた。暗殺騎士の魔術に斃れた父、“走狗”候補の八人の容疑者、怪しげな傭兵たち、沈められた封印の鐘、塔上の牢から消えた不死の青年―そして、甦った「呪われたデーン人」の襲来はいつ? 魔...
どうも、緒浅丸です。
8月も今日が最終日、学生の皆さんは明日から2学期ですネ☆
そんな夏休み最後の日にご紹介する本はコチラ↓↓
折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)(2010/11/27)米澤 穂信商品詳細を見る
このミステリ作家自体も好きだし、ファンタジーもミステリも好きなので、前々から気になっていた1冊です。
魔術が息づく十二世紀末のヨーロッパ の...
折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)(2010/11/27)米澤 穂信商品詳細を見る
ロンドンから出帆し、波高き北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。その領主を父に持つアミーナはある日、放浪の旅を続ける騎士ファルク・フィッツジョンと、その従士の少年ニコラに出会う。ファルクはアミーナの父に、御身は恐るべき魔術の使い手である暗殺騎士に命を狙われている、と告げた……。
自然の要塞で...
米澤穂信氏『折れた竜骨』読了!
折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)(2010/11/27)米澤 穂信商品詳細を見る
同氏は今まで『インシテミル』等読了済みで、現代ミステリー作家の
印象が強いが『折れた竜骨』は ばりばりのファンタジーであった。驚き。
魔術やら呪われた種族やらゴーレム様なものが存在する。
その中でも見事ミステリーを書いているのだからさらに驚いた。スゴイなー...
米澤穂信著(創元推理文庫)。
第64回日本推理作家協会賞受賞作にして、
2012年の国内ミステリランキング1、2位だらけ!!
そんな、至高のミステリ作品を、
2013年の晩夏に、読む!!
……いいんだよ、ほっといてよ。
魔術と剣と呪いが横行する世界で、殺された領主。
一体誰が何のためにどうやって!?
因縁を引っさげて謎を解く騎士...
米澤穂信著 2010年東京創元社◎ミステリ・フロンティア刊行 米澤穂信作品は「ストーリー・セラー」シリーズで読んだぐらい。「ストーリー・セラー」シリーズは伊坂幸太郎や有川浩などが目当てなので、初米澤穂信作品と言ってもいいかも。剣と魔法の世界を舞台としたというこ
折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)(2010/11/27)米澤 穂信商品詳細を見る
舞台は魔法が存在する12世紀末、ロンドンから船で3日ほどのところに浮かぶソロン諸島。
ソロンの領主の娘・アミーナ・エイルウィンは、遠方から旅をしてきた騎士ファルク・フィッツジョンとその従者ニコラ・パゴと出会う。
ファルクは、ソロン領主ローレントに、その身が忌まわしき暗殺騎士に狙われていると伝...
折れた竜骨 上 (創元推理文庫) 作者: 米澤穂信 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2013/07/11 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (22件) を見る 折れた竜骨 下 (創元推理文庫) 作者: 米澤穂信 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2013/07/11 メディア: 文庫 この商
折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)米澤 穂信 東京創元社 2010-11-27売り上げランキング : 26464Amazonで詳しく見る by G-Tools
★★★★☆
何も見落とさなければ真実は見出せる。理性と論理は魔術をも打ち破る。必ず。
ロンドンから出帆し、波高き北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。その領主を父に持つアミーナはある日、放浪の旅を続ける騎士ファルク・...
12世紀末のソロン諸島が舞台のクローズドサークルもの。
ミステリーとファンタジーがすごくマッチしていて、本当に面白かった。
カタカナが苦手で読むのに苦労したけれど、本当に読んでよかったなと思いました。
魔術が出てくるので、なんでも魔術で解決!かと思いきやそういうわけでもなく、ちゃんとしたミステリーでした。
自分でミステリーを解くタイプではないので、解決編は本当にドキドキしながら読みま...
これからもよろしくお願いしますネ☆