天才外科医による「革命」の行方は?
“招かれざる異端児”を襲うアクシデントと張り巡らされた陰謀――。
メディカル・エンターテインメントの真骨頂!
シリーズ、ついに完結!!
手術を受けたいなら全財産の半分を差し出せと放言する天才外科医・天城は、東城大学医学部でのスリジエ・ハートセンター設立資金捻出のため、ウエスギ・モーターズ会長の公開手術を目論む。だが、佐伯教授の急進的な病院改革を危惧する者たちが抵抗勢力として動き始めた。桜宮に永遠に咲き続ける「さくら」を植えるという天城と世良の夢の行く末は?
海堂作品最高の「衝撃と感動」!
様々な思惑と意志が交錯する中、田口・白鳥シリーズまでの桜宮の歴史を総決算。
それぞれの医師がそれぞれの理念、医学と医療の間でゆれ動く信念の中で、
非常に魅力的に行動し、またさまざまな発言をします。
それは、あたかも著者の考えを登場人物たちが代弁しているかのようです。
海尊尊作品は、医療に対する著者の考えを吐露するための手段であるのでしょう。
1988からの三部作の掉尾を飾る本作は、ある意味天才外科医天城のストーリー。
もちろん、のちの世良の成長過程を描いたものという側面もあります。
また、ジェネラル速水誕生の隠されていたストーリーともいえます。
しかし、それ以上に天城雪彦の活躍、その理想と挫折をめぐる物語です。
世良絡みの作品でよく感じる、切なさと未来への微かな希望で心を揺さぶられる一方で、
佐伯と天城、本シリーズでも最も暗い輝きを放っている若き日の高階、
高階と黒崎の意志のぶつかり合いの面白さ、時系列的に「次」へと繋がる様々な布石。
1988、1990と続く三部作の、そして「極北」へ至る流れの終わりとなります。
この本の後半から最後が特に好きです。読んでいて感慨深いものがありました。
エンタテイメントとしての上質さを感じ、小説としての満足感がある作品でした。
エトワール、ムッシュ天城の姿をもう見ることができないのが残念です。
速水、彦根に影響を与え、世良との関わり合いで少しずつ変わっていく天城先生。
そんな天城と世良をもっと見たかったです。
後に北に根付く意志を固めた世良の前後をいつか描いていただきたいなと思います。
「スリジエセンター1991」海堂尊さんの最後に切ない思いがつのる作品です。
楽天からも購入できます。

「スリジエセンター1991」海堂尊
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海堂尊著 2012年講談社刊行 初出 2011年〜2012年「週刊現代」 “バブル三部作”“ブラックペアンシリーズ”の最終巻で『ブラックペアン1988』『ブレイズメス1990』の続き。スリジエセンターの設立に向けた天城先生と世良先生を中心にした物語。それに高階先生を中心とした院
桜宮に来た天城はスリジエセンター開設のため動く。 「ブレイズメス1990」の続編。 【送料無料】スリジエセンター1991 [ 海堂尊 ]価格:1,680円(税込、送料込) 次々に分化する外科教室。 佐伯教授は救急救命の分野にも手を伸ばしていた。 速水や彦根という問題児…
ブラックペアン1988、ブレイズメス1990に続くシリーズ第3弾にしてシリーズ完結編。
大学時代攻撃的サイドバックとして活躍した若手外科医世良を主人公にして、研修医として東城大で働いた期間を描いたシリーズになるわけですが、このシリーズはチームバチスタを始めとした、本編シリーズよりも前の出来事になるわけで、それぞれの登場人物の若かりし頃を描いているというだけではなく、それぞれの関係性など...
スリジエセンター1991(2012/10/25)海堂 尊商品詳細を見る
個人的には今まで読んだこの作家の作品の中でベスト3に入る面白さでした。
本書に入り、天城と高階講師との対立は激しさを増していく。公開手術のスタッフの入れ替えなどの障害も乗り越え進む天城。だが佐伯教授、黒崎助教授、高階講師夫々の思惑はお互いの思わぬ方向へ進む。速水という爆弾新入生がその均衡を掻き乱し、世良はその渦の...
うぅぅ~、最後が~、最後が悲し~・・・。どう悲しいかはネタバレなので書かずにおきますが・・・(T_T)。
「ブラックペアン1988」、「ブレイズメス1990」に続く第三作目。どうやらこの三冊で「バブル三部作」というものが完結するとのことです。
もしかするとワタクシ、ぐっちー&白鳥シリーズより、この三部作の方が好きかも・・・ってくらい、このバブル期の佐伯外科教室を舞台にした3冊が好きですわ♪
「命よりカネを優先させるという天城先生のポリシーは、医師として絶対に容認できません。ですので、全力でスリジエセンター創設を阻んでみせます」
「堂々たる宣戦布告だな。常在戦場、受けて立つさ」
いやあ、半ばシリーズを読んできた義務感だけの惰性で読み始めたのですが、すごかったですね。
びっくりしました、桜宮サーガの残された時系列の空白に、こんなドラマが隠されていようとは……
やっぱり海...
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