斉木杉子、十一歳。自分の言葉を持つがゆえに学校に居場所のない少女は、「学校なんてなけりゃいい」と思った。そして、自宅の庭に生えるナツメの古木に呼びかける。時々、心にねじをまくように。ハロウ―(「氷の海のガレオン」)。ヤングアダルト小説ファンの間で「何度も読み返したくなる一作」として語り継がれてきた名作に、書き下ろしを加えて文庫化。自由な言葉の家族に囲まれて育ち、同級生の中で疎外感を持つ11歳の少女杉...
桃李大学付属、那賀市桃李学園。文武両道の有名私立大学に付属する中高一貫校である。その高等部の一角に、部員5人未満のため非公式な存在の文化部ばかりが集い、「マイナークラブハウス」と通称される古ぼけた洋館があった―。思春期を旅する「普通じゃない」少年少女たちの一筋縄ではいかない日常を描き、面白いのに不思議とジンとくる、最先端の学園小説。思春期の心の機微。カバー絵も含めてキャッチーな作風です。軽やかで誰...
この塔を出るのよ。出逢いが少女を、革命家にする―相原真琴、13歳。「普通」が求められ、息詰まる学校で、彼女は見出した。パパとママと同じように、妥協せずに。相手は、驚天動地、天衣無縫の先天性不思議少年。『氷の海のガレオン』の著者が描く、気高き少年少女の物語。革命家だったとも言われる父と、当時15歳の母とが「妥協」せずに生まれた娘・相原真琴、13歳。妥協に背を向け、クラス内で特殊な立ち位置の優等生へと...