気鋭の歌人による初の小説集。不思議な遊園地「コキリコ・ピクニックランド」をめぐる7つの物語。摩訶不思議な小説世界は、あなたの心にしっとりとしみこんでくるはず。郊外のさびれた遊園地に交錯する人間模様。謎めいていて、ときにやさしく、ユーモラス、ときに残酷に…。イマジネーション豊かな「ひがしワールド」の新しい形がここに。連作短編6編と掌編「夕暮れのひなたの国」を収録。さびれた遊園地が舞台。少し変わってい...
自分を消そうとしていた女が、一軒の古めかしい薬屋にたどり着いた。つかみどころのない、独身の薬屋店主、平山タバサと町の住人との不思議な日々。身を任せる安らぎと不安。リリカルな長篇。ややこしくなった、心と身体がほぐれる魔術的な恋愛小説。一風変わった店主と、身を寄せた女性や町の住人たちとの物語。話は薬屋にやってくる人々とのあれこれ。言葉遣いが心地よいです。 命の調節ができる薬。山崎由実の素性。曖昧であや...
あなたは何に「とりつき」ますか?。死んでしまったあなたに、係が問いかけます。そして妻は夫のマグカップに、弟子は先生の扇子に、なりました。切なくて、ほろ苦くて、じんわりする連作短篇集。この世に未練を残した死者が身の周りのもの無生物に取り憑いて静かに見守る物語。十数ページの短い十一の短編に込められたそれぞれの人生が心に沁みます。怨霊や悪霊の祟るとか仇なすというイメージとは程遠い清らかなお話です。ほっと...
あの窓のことをあたしは一生忘れない。「きいちゃんが眠れないんなら、なにか話をしてあげる」ゆうちゃんがくれた、やさしい不思議な、つんとする物語たち。雑誌『anan』連載時より話題沸騰。06年『長崎くんの指』、07年『とりつくしま』に続く、人気著者初の長編恋愛小説。精神が少し不安定で眠れないきいちゃんに美容師のゆうちゃんが語る物語。甘やかな時間の中に挟みこまれる、不思議で悲しくて時にぞくりとするお話。不思...