月刊社内報の編集長に抜擢され、若竹七海の不完全燃焼ぎみなOL生活はどこへやら。慣れぬカメラ片手に創刊準備も怠りなく。そこへ「小説を載せろ」とのお達し。プロを頼む予算とてなく社内調達ままならず、大学時代の先輩に泣きついたところ、匿名作家を紹介される。かくして掲載された十二の物語が謎を呼ぶ、贅を凝らしたデビュー作。出てくる謎は日常の不思議なこと。密室、暗号、ホラー、ほのぼの系ありと多彩です。ほとんどは人...
築25年の一戸建て。料理さえ作れば家賃はただ。そんないい話を見逃す手はない。こうして私は変わり者の銀子さんの家に居候することになったのだが、珍事件が次々と……。失恋。引越し。このありきたりな行動パターンが、柊子に思いもかけない体験を…。不思議で魅力的なルームメイト、奇怪な同居人。涙と笑いと謎解きの連作。20歳代後半の、さっぱりとした女性が主人公なのはいつも通りです。ベタベタしない、さらりとした筆致で...
海に臨む瀟洒な邸宅、十棟が並ぶヴィラ。その一棟、密室状況の空き家で死体が発見された。所持品もなく、顔と手が潰され、身元の特定は困難。聞き込みに懸ける葉崎署員だが、ヴィラの住人は皆、一癖も二癖もある人間ばかり…。聞き込みのたびに、担当の一ツ橋巡査部長と駒持警部補の眉間の縦皺が増えていく。そんなおり、さらにヴィラ内である人物が殺害される!連続殺人により、住人たちの秘められた事実が次々と明らかになり…!?...
家出した女子高生ミチルを連れ戻す仕事を引き受けたわたしはミチルの友人たちが次々に行方不明になっていると知って調査を始める。女探偵、葉村晶シリーズ3作目。頭脳明晰、美人、危険な目にあってもくぐり抜ける運の強さなどとは無縁。決して強くもなく、美しくもないドライな感覚のちょっとひねくれた主人公葉村晶。前作同様、思わぬ形でトラブルにドンドン巻き込まれていきます。ちょっと意地っ張りで気が強く自分のもろさに自...