「お前ら、いつか結婚するぜ」そんな未来を予言されたのは小学生のころ。高校を出ても迷走するばかりの僕にとって、彼女を思う時間だけが灯火になった。再読。未来予報・手を握る泥棒の話・フィルムの中の少女・失はれた物語を収録。それぞれに面白くて好きです。手を握る泥棒の話がユニークで笑えます。切ない余韻の、さみしさの周波数。乙一さんの、あとがきが楽しい短編集でした。さみしさの周波数 (角川スニーカー文庫)(2002/1...
14歳の冬休み、わたしはいなくなった―。大金持ちのひとり娘ナオはママハハとの大喧嘩のすえ、衝動的に家出。となりの建物でこっそりと家族の大騒ぎを監視していたナオだったが、事態は思わぬ方向に転がって。再読。・しあわせは子猫のかたち。大学生と女性の幽霊と子猫の物語。幽霊、雪村さんの個性が面白い。優しくて切なかったです。・失踪HOLIDAY。果敢に安らげる場所を探すナオ。楽しくてラストに感動です。ご近所に...
森野が拾ってきたのは、連続殺人鬼の日記だった。僕らは、まだ発見されていない被害者の死体を見物に行くことを決めた…。猟奇事件。グロテスクな描写。ホラー色の強い作品でした。不穏で不気味な場面が多かったです。人の死を見て回るのが好きな主人公。翳りを持つ森野夜。キャラクター設定も特異です。文章がブラックユーモア含み。気が紛れました。残酷なGOTHリストカット事件。乙一さんの最後の仕掛けが見事でした。GOTH―リスト...
毎日届く恋人の腐乱死体の写真。彼女を殺したのは誰か?「犯人探し」に奔走する男を描く表題作他、書き下ろし新作を含む10編収録。どれも読みきり作品です。思いつかない発想。意表を衝く展開。予想不可能の乙一ワールドを、十分堪能しました。それぞれの完成度が高いです。追い続けるZOO。乙一さんの天才、奇才がわかる、面白い短編集でした。目次:カザリとヨーコ/血液を探せ!/陽だまりの詩/SO‐far そ・ふぁー/...