自称「半ひきこもり」の若手作家3人が事前準備も計画性も確たる目的もなく、未知の大地・トルコへ旅だった。定金さんの文章に乙一さんがブラック、松原さんが冷静に突っ込みを入れる展開。カラーページで綺麗な風景を楽しめます。しっかりした解説でトルコのお国柄もわかりました。脱力系三人組のとるこ日記。乙一さんの巻末小説「毒殺天使」。流石にブラックでした。とるこ日記―“ダメ人間”作家トリオの脱力旅行記(2006/03)定金 ...
突然の事故で記憶と左眼を失ってしまった女子高生の「私」。臓器移植手術で死者の眼球の提供を受けたのだが、やがてその左眼は様々な映像を脳裏に再生し始める。それは、眼が見てきた風景の「記憶」だった…。細かくグロい描写。とても気持ちが悪かったです。葛藤する主人公。ハラハラする怖さ。苦難に立ち向かっていく姿がよかったです。不気味な暗黒童話。乙一さんの、最後には爽やかな作品でした。暗黒童話(2001/09)乙一商品詳細...
嘘をついてしまったマサオは、大好きだった羽田先生から嫌われてしまう。先生は、全部マサオのせいにするようになった。クラスメイトまでもがマサオいじめに興じるある日、彼の前に男の子が現れた。些細な事から始まるいじめ。主人公マサオの怖さや情景がリアルに伝わってきます。誰にでもある、人に良く思われたい感情。現れた「死にぞこない」の男の子。じわじわ迫る恐怖の描写。さすが乙一さん。不気味な死にぞこないの青。乙一...
目覚めると、交通事故で全身不随のうえ音も視覚も、五感の全てを奪われていた私。残ったのは右腕の皮膚感覚のみ。ピアニストの妻はその腕を鍵盤に見立て、日日の想いを演奏で伝えることを思いつく。再読と新作。Calling You、失はれる物語、やっぱり泣けました。傷、しあわせは子猫のかたち、やさしい気持ちになれました。手を握る泥棒の物語で笑い。マリアの指にゾクリです。哀しい失はれる物語。乙一さんの切なく多彩...