連作短編集です。主人公健一と娘美紀。父娘の日々を淡々とつづります。ささやかな日常風景。二人と関わる人々。見守る義父義母、義兄夫婦。折々の気持ちや感じること。各人のステップアップが丁寧で温かです。父娘のステップ。重松清さんの、温かい家族の物語でした。目次:ケロ先生/ライカでハロー・グッドバイ/あじさい/キュウリの馬に乗って/サンタ・グランパ/彼岸過迄/バトン/ホップ、ステップ/ジャンプステップ(2009/...
70年代初めに開発された街は、2年前にガンで逝った妻のふるさとだった…。亡き妻の思い出のニュータウンに暮らす父子を描く感動長編。引っ越してきた田島さん。日常生活の物語です。希望ヶ丘の人びとが個性的。特にエーちゃん。無鉄砲ですが憎めない人です。駄目な希望ヶ丘の人びとに、ふんわり笑いました。重松清節が炸裂します。ぐっとくる言葉に涙です。愛しい希望ヶ丘の人びと。重松清さんの、読後感がとても良い作品でした...
装幀は吉田篤弘・吉田浩美。産経新聞連載ほかを改稿改題。シリーズ最終巻の四冊目。クリスマスやお正月などのイベントに絡めて、日常の出来事を描く短編集。死にまつわる物語は少なめでした。人と人のぬくもりに、ほのぼのとして和みます。厳しい寒さから明るい暖かな春への移り変わりが上手。幸せな気持ちになりました。母の娘への心配り「サンタ・エクスプレス」。息子の老母への気遣い「ネコはコタツで」。よかったです。季節風も冬...
装画はヤマモトマサアキ。装幀は高柳雅人。各新聞連載を改稿加筆。昭和37年、愛妻・美佐子さんとの間に長男アキラが生まれたヤスさんの物語です。妻亡き後、アキラの幸せを願い、悪戦苦闘する日々。喜びと哀しみを繊細に描きます。豪快で意地っ張りで不器用だけど、照れ屋で情に厚く涙もろい父親の愛が一杯でした。幼なじみの照雲と幸恵さん、雲海和尚。「夕なぎ」のたえ子さん。周囲の人たちがいい。妻の死の真相、野球のトラブル...