![]() | 少しだけ欠けた月―季節風*秋 (2008/09) 重松 清 商品詳細を見る |
装幀は吉田篤弘・吉田浩美。産経新聞連載と他誌掲載を改稿改題。
季節風シリーズ第三弾秋編。春夏より読みやすい反面、インパクトは薄い印象でした。
死や泣かせの要素は低めで安心しました。子供が主役のお話が多くてよかったです。
主人公が過去を思い出したり、子供の気持ちや感じている事を鮮やかに描いています。
コメディな「オニババ」、エッちゃんと飛び跳ねた「サンマ」、美味しそうな「ヨコヅナ」、
「キンモクセイ」は、カロリーヌが懐かしかったです。白猫のプフが好きでした。
「田中さんの休日」は、娘を持つお父さん必読の好短編でしょう。
「少しだけ欠けた月」は、寂しさ置いてきぼり感が強くて苦く、辛かったです。
家族の話を描き続ける重松清さん。冬編も楽しみです。
目次:オニババと三人の盗賊/サンマの煙/風速四十米/ヨコヅナ大ちゃん/
少しだけ欠けた月/キンモクセイ/よーい、どん!/ウイニングボール/
おばあちゃんのギンナン/秘密基地に午後七時/水飲み鳥、はばたく。/
田中さんの休日
少しだけ欠けた月―季節風*秋
重松 清

![]() | 気をつけ、礼。 (2008/08) 重松 清 商品詳細を見る |
装画・題字は川原真由美。装幀は新潮社装幀室。初出「小説新潮」など。短編集。
どこか癖のある先生と生徒の、過去と現在の出来事を描きます。
自分の好き嫌いにこだわり、歪みや癖も持つ先生の生き方と、深く刻み込む生徒たち。
年を取ってやっとわかること、主人公たちの後悔と反省がほろ苦く切なかったです。
不器用でも人間臭い先生を思い出すことで、励みになることもあるって感じました。
実際の先生たち、懐かしいです。「泣くな赤鬼」泣いてしまいました。
「気をつけ、礼。」何気なく実話の匂いです。重松清さんらしい、温かい短編集でした。
目次:白髪のニール/ドロップスは神さまの涙/マティスのビンタ/にんじん/
泣くな赤鬼/気をつけ、礼。
気をつけ、礼。
重松 清

僕たちのミシシッピ・リバー―季節風*夏

季節のシリーズ短編集「季節風」の第2弾は夏。
梅雨、七夕、夏休み、帰省と、6月から8月の時期を舞台にした物語たちです。
生命を謳歌する時期のはずなのに今回は人の死にまつわる話が多くて、
春以上に夏も泣かされました。お盆があるからでしょうか?。
切なく哀しい過去のお話、家族の大切さがわかるお話、
立ち直りや再生のお話など優しくてあたたかな余韻が残ります。
海、山、川など故郷も絡めたアウトドアなロケーション、
サッカーや野球などスポーツが関係する題材も季節感があります。
みずほと和人の姉弟のやりとりが楽しくて、
母にしてもらってた飛行機を思い出した「あじさい、揺れて」、
<お父さん、友達になれるよね>が素敵な「ささのは さらさら」、
少年期の友情を自然体で描く「僕たちのミシシッピ・リバー」、
風呂上りのベビーパウダー=天花粉が懐かしく、おばあちゃんの思いが胸に染みて
ありがたさと申し訳なさが伝わってくる「べっぴんさん」、
私小説のような「風鈴」、
雅也君と同じく一人っ子なので<p359、叱ってくれるきょうだいはいない。
元気づけてくれるきょうだいもいない。>に実感、読了号泣の「タカシ丸」が好きです。
上品な装幀は前作『ツバメ記念日 季節風春』と同じ、
クラフトエヴィング商会の吉田篤弘・吉田浩美。
そしてガリガリ君を食べたくなりました。ドラキュラ食いで(笑)。
目次:親知らず/あじさい、揺れて/その次の雨の日のために/ささのはさらさら
/風鈴/僕たちのミシシッピ・リバー/魔法使いの絵の具
/終わりの後の始まりの前に/金魚/べっぴんさん/タカシ丸/虹色メガネ

季節のシリーズ短編集「季節風」の第2弾は夏。
梅雨、七夕、夏休み、帰省と、6月から8月の時期を舞台にした物語たちです。
生命を謳歌する時期のはずなのに今回は人の死にまつわる話が多くて、
春以上に夏も泣かされました。お盆があるからでしょうか?。
切なく哀しい過去のお話、家族の大切さがわかるお話、
立ち直りや再生のお話など優しくてあたたかな余韻が残ります。
海、山、川など故郷も絡めたアウトドアなロケーション、
サッカーや野球などスポーツが関係する題材も季節感があります。
みずほと和人の姉弟のやりとりが楽しくて、
母にしてもらってた飛行機を思い出した「あじさい、揺れて」、
<お父さん、友達になれるよね>が素敵な「ささのは さらさら」、
少年期の友情を自然体で描く「僕たちのミシシッピ・リバー」、
風呂上りのベビーパウダー=天花粉が懐かしく、おばあちゃんの思いが胸に染みて
ありがたさと申し訳なさが伝わってくる「べっぴんさん」、
私小説のような「風鈴」、
雅也君と同じく一人っ子なので<p359、叱ってくれるきょうだいはいない。
元気づけてくれるきょうだいもいない。>に実感、読了号泣の「タカシ丸」が好きです。
上品な装幀は前作『ツバメ記念日 季節風春』と同じ、
クラフトエヴィング商会の吉田篤弘・吉田浩美。
そしてガリガリ君を食べたくなりました。ドラキュラ食いで(笑)。
目次:親知らず/あじさい、揺れて/その次の雨の日のために/ささのはさらさら
/風鈴/僕たちのミシシッピ・リバー/魔法使いの絵の具
/終わりの後の始まりの前に/金魚/べっぴんさん/タカシ丸/虹色メガネ

装幀は大久保伸子。装画は岡村慎一郎。初出「BRIO」に加筆訂正。
作家の僕は十八歳で上京。大学時代を回想する連作短編集。
1980年代の流行や風物がふんだんに盛り込まれていて懐かしかったです。
いろんな人たちとの出会いと出来事、別れの日々。
繰り広げられる人間模様をエッセイ風に描きます。
重松さんの楽しく苦い体験が色濃く感じられ、
読みながら当時を鮮明に思い出して甘酸っぱい気持ちになりました。
「A LONG VACATIN」(いにしへのナイアガラ・サウンド)と
オフコース!に著しく反応しちゃいました(恥)。
この時期に書かれたことを考えてみると、
二十数年が流れて行方がわからなくても僕は覚えているよ、
という重松さんのメッセージみたいな気もしました。
目次:東京に門前払いをくらった彼女のために/恋するカレン・みちのく純情篇/
マイ・フェア・ボーイ/走れ!東上線ターボ/洗いざらしの幸運/
4時間17分目のセカンドサーブ/君の名は、ルイージ/僕と少女とブルーベリー/
さらば愛しき牛丼/黄昏のイエロー・サブマリン/
人生で大事なものは(けっこう)ホイチョイに教わった/ザイオンの鉄のライオン
ツバメ記念日―季節風*春

装幀は吉田篤弘・吉田浩美。産経新聞連載を改稿改題。
出会い、別れ、旅立ち、母の思い出など春がテーマの短編集。
同じ時期に読めてベストタイミングでした。
口下手で不器用な人たちが胸中に抱える悩み苦しみ切なさ、
辛いこと悲しいこと…あれこれに共感。甦る新しい生活への期待と不安。
子どもを思う親の心に感謝。優しさといたわりに満ちたハッピーな結末が嬉しい。
春の陽だまりのような、ほんわかあたたかな余韻が残ります。
ポンカン、よもぎだんご、ちまき、カツオなど食べ物にも季節感。
想いが込められた、色鮮やかな「さくら地蔵」が好きです。
目次:めぐりびな/球春/拝復、ポンカンにて/島小僧/
よもぎ苦いか、しょっぱいか/ジーコロ/さくら地蔵/せいくらべ/霧を往け/
お兄ちゃんの帰郷/目には青葉/ツバメ記念日
関連情報 重松清の読了本
ひとつ前に読んだ重松清の読了本
・ ・ブランケット・キャッツ 重松清

装幀は吉田篤弘・吉田浩美。産経新聞連載を改稿改題。
出会い、別れ、旅立ち、母の思い出など春がテーマの短編集。
同じ時期に読めてベストタイミングでした。
口下手で不器用な人たちが胸中に抱える悩み苦しみ切なさ、
辛いこと悲しいこと…あれこれに共感。甦る新しい生活への期待と不安。
子どもを思う親の心に感謝。優しさといたわりに満ちたハッピーな結末が嬉しい。
春の陽だまりのような、ほんわかあたたかな余韻が残ります。
ポンカン、よもぎだんご、ちまき、カツオなど食べ物にも季節感。
想いが込められた、色鮮やかな「さくら地蔵」が好きです。
目次:めぐりびな/球春/拝復、ポンカンにて/島小僧/
よもぎ苦いか、しょっぱいか/ジーコロ/さくら地蔵/せいくらべ/霧を往け/
お兄ちゃんの帰郷/目には青葉/ツバメ記念日
関連情報 重松清の読了本
ひとつ前に読んだ重松清の読了本
・ ・ブランケット・キャッツ 重松清

装幀は坂下栄治+田中久子。装画・挿画は高野文子。asahi.com連載を改稿。短編集。
二泊三日、毛布付きレンタル猫の行き先は…。
子供のいない夫婦と花粉症のアン、不幸を実感する女性と助手席に座るクロ、
父親が窮屈な息子と尻尾のないコウジ、痴呆気味の祖母を預かる家族と身代わりのロンロン、
フリーター青年と嫌われ者のザツ、家出中の兄妹と旅に出たタビー、
父親失業で家を売る家族と我が家の夢のニャース。
借り主や関わる人たちの切なく辛い境遇や出来事に哀しさ。
何もできないようでも最後に描かれる希望。
重松さんらしい笑い優しさ温かさが胸に響くいい物語でした。賢い猫たちが可愛いです。
関連情報 重松清の読了本
前に読んだ重松清の読了本
・・カシオペアの丘で(上・下) 重松清
・・娘に語るお父さんの歴史 重松清

装幀はクラフト・エヴィング商会。挿絵は南伸坊。
平成生まれの娘・セイコの素朴な疑問に、父・カズアキ=重松清さんが自分の生きてきた時代を語ります。1963年生まれで、1958年(昭和33年)から「テレビ」と「普及」をキーワードに2006年現在までを検証。精神形成の過程を時代背景と重ね合わせ、歴史として考える視点がユニーク。
科学技術に裏付けられた物質文明が幸せをもたらすと思われていた当時の状況。でも実際には違ってしまった現在。幸せとは何かという話に展開して「未来が幸せだと信じることができる時代は幸せ」という一言が印象深いです。昭和生まれなので感慨深く懐かしく、前向きになれた本でした。
関連情報 重松清の読了本

装画・挿画は100%ORANGE/及川賢治。
前著に引き続き、重松さんが思春期の子どもたちが抱える悩みに、ひとつひとつ本気で向き合い真摯に回答しています。複雑で切実な悩みに寄り添い、とても丁寧で誠実です。
何を選んでも選べなくても間違いではなく、なやみ、迷い、後悔、落ち込みなどをまるごと肯定しようとする重松さんの気持ちに好感が持てます。
この本を中学や高校の頃に読んでたら、深刻にならずにすんだかもしれないなって思ったりしました。
関連情報 重松清の読了本
関連情報
・・みんなのなやみ 重松清

装画・挿画は100%ORANGE/及川賢治。理論社ホームページの「10代の悩み相談室」のコーナーに寄せられた質問・相談に重松さんが解答したもの。
小学校高学年から高校生くらいまでの悩みに、重松さんが手を抜かず真剣に誠実に回答していきます。悩みを消し去るのではなく、悩んでいる自分に悩むのをやめて、悩みとの付き合い方をいっしょに考えるスタンス。当時は深刻に感じていたことを思い出して共感できる悩みも多かったです。
相談者の気持ちにきちんと沿って考え、バリエーション豊かにアドバイスをしてくれる重松さんの姿勢に、すごいなぁ、重松さんらしいなぁって感心しました。特に今悩んでいる人、親や教師など子どもに関わる人に読んでほしい本です。
関連情報 重松清の読了本
関連情報
・・みんなのなやみ2 重松清


装画は本村加代子。装幀は大久保伸子。十二紙の新聞掲載後全面改稿。
北海道北都市。小学4年生のシュン・俊介、トシ・敏彦、ミッチョ・美智子、ユウ・雄司が集まった夜の丘。40歳目前でガン宣告を受けた俊介はあの日みんなで夢見た遊園地、カシオペアの丘をテレビで知り、紆余曲折から交流が途絶えていた4人は再会へ。
序章の希望の後は次々に世の中のあらゆる不幸や悲劇が現われます。始めは読み続けるのが辛かったです。でも簡潔明瞭な筆致と一章ごとに変わる語り手の抱えている思いに引き込まれました。
過去への強いわだかまりから、許すこと許されること、それぞれの人たちの心の葛藤が切なく胸に迫ります。誠実すぎるほどのやりとりに癒される面もありました。許しって、きっと人それぞれの心の持ち方次第なのでしょうね。いろんな重さを背負いながら生きていくことが人生って知らされました。結末まで目が離せず加速がついて「あえないけど、いるから」(p292)に号泣。最後に涙々でした。
千太郎や川原さんやミウさん…くどすぎて詰め込みすぎの気もしますが、逆にこれほどの内容がよくこの枚数で収まったって感心も。友人や家族、大切な人への愛おしさがつのりました。そして、としまえんのメリーゴーラウンド、エルドラドに乗ってみたくなりました。
関連情報 重松清の読了本


