ゴシック様式の尖塔が天空を貫き屹立する、流氷館。研究会のメンバー6人が訪れたとき、満天驚異の現象と共に悲劇は発動した。20世紀最後の新本格派、霧舎巧が島田荘司氏の推薦を受けて放つデビュー作。第12回メフィスト賞受賞。「<あかずの扉>研究会」シリーズ1作目。研究会のメンバーが好きです。語り手は好青年の二本松カケル。頼れるリーダー後動悟。人柄の良さと深い推理が魅力。自称名探偵、鳴海雄一郎。キザでチャー...
沖に密やかに寄り添い浮かぶ月島と竹取島。因習に呪縛されたこの島をメンバーが訪れた時、惨劇の万華鏡はきらめき始めた。再読。シリーズ二作目。島にまつわる奇怪な伝説に絡んだ連続殺人。メンバーは事件解決に乗り出します。たぶん横溝正史『獄門島』へのオマージュ。二人の探偵。捜査方法や推理姿勢の違い。二種類の見方が特徴です。キャラクターがとても魅力的。カケルくんとユイちゃんの会話も楽しいです。隣り合うカレイドス...
中央アルプスの隠れ里を襲った嵐の一夜。土砂崩れで奇怪な洞窟に閉じ込められた研究会のメンバーを直撃する連続殺人。再読。シリーズ三作目。今回も事件を二人の探偵が解き明かすスタイルです。鳴海さんのダイイング・メッセージ講座。唐突でくどくて、少し残念でした。ちょっとラブコメ。大掛かりなトリック。最後まで楽しめました。巨大なラグナロク洞。霧舎巧さんの嵐の山荘もの。再読でも面白かったです。ラグナロク洞―「あか...
雪深い山間のペンションで続けざまに起こった不可解な連続怪死事件。さまざまな証拠を丹念に検証しながら、犯人像を絞りこんでゆく。空欄の登場人物。集まった不穏な人たち。事件が過去を引き出します。とっても凝ったトリック。章立てや挑戦状の遊び心が楽しかったです。気がつけば名探偵はもういない。霧舎巧さんの丁寧な長編ミステリでした。名探偵はもういない (講談社ノベルス)(2006/04/07)霧舎 巧商品詳細を見る名探偵はもう...