東天高校文化祭初日、ブラスバンド部のオープニング曲終了とともに、突如校内放送から謎の男の声が流れてきた!DJネガポジと名乗る男は、リクエスト曲を流しつつ携帯電話でのリレーインタビュー企画を進めていく。文化祭実行委員会と生徒会の合同企画だというが、どこか怪しい。DJの軽快な喋りに沸く生徒たちを尻目に、二年生の古浦久留美はDJの正体を探り始めるが。華やかな文化祭の裏で静かに進行する陰謀と、謎のDJの目...
記憶の中の祖父のカレー、幼い日の約束を巡って、僕は旅立つことに…小説すばる新人賞受賞第1作、書き下ろし青春ロードノベル!。人は死ぬものなのだと知ったのは、カレーライスを食べた後だった。その死が僕とカレーを結びつけ、もう一つの死が僕の背中を押した。長く奇妙なその旅に、僕の平穏な生活は丸ごとのみ込まれていった。それでも僕は、カレーライスが大好きだ。カレーライスを作る時、無闇やたらと幸せな気分になること...
幼い昇平の乗った自転車がスピードを出しすぎて飛びこんでしまったのは、草太の家の庭だった。ふたりは、その日、生涯の友と出会う。海まで必死にペダルをこいだ。強豪高校にレースで挑んだ。そして、東京発糸魚川行きの自転車ラリーを創った。もちろん素敵な恋もした。爽快無類の成長小説。自転車をきっかけに4歳から大人になるまでの長い歳月。少年と仲間との青春と成長の歩みを丁寧に描いた作品です。自転車の楽しさ、テンポの...
学生時代に図書館で暮らし、トンデモ本を読み漁ったことのある売れない作家。本好きで、小説に描かれた世界を旅したくなる若いカップルのナズナとワタル。二つの別々の物語は、村上春樹の『海辺のカフカ』に導かれて一つの流れとなる。徳富蘆花、ドン・キホーテ、パーマン。本にまつわる逸話が満載です。図書館や本が人との絆を作る。人と人とを結ぶ縁の不思議さを上手に描きます。おいしそうなうなぎ、おにぎり、讃岐うどん。本好...