「てめえいいかげんフザケタことばっか言ってっと、ローラーでひき殺すぞ。」俺は心地よい眠りから、罵声でたたき起こされた。俺の名はオーフェン。本業は魔術士だが、副業でモグリの金貸しなんぞやっている。罵声の主はボルカンという地人のガキだ。俺から金を借りているくせに、ちっとも返そうとはしやがらない。このガキがどうやら、金儲けの話を見つけてきたらしい。あまり、アテにはできないが、とりあえず奴に言われたとおり...
白く美しい指先に一瞬だけ力が込められる。ただそれだけ。それだけでその男のあごは音を立てて、あっさりと外れる。痛みにのたうち回る男をその真紅の髪の美女は、炎のような赤い瞳で冷たく見つめていた…。絶対殺人武器―イムァシアの刀鍛冶たちにより最強の暗殺者として育てられたミズー・ビアンカは辺境の街にいた。目的はとある退役騎士の情報を得ること。彼は“精霊アマワ”の手掛りを持つ唯一の男なのだ。世界の滅亡の鍵を握る“...
イラスト:つたえゆず。角川スニーカー文庫。前の「シャンク!!ザ・レイトストーリー」からのリニューアル。魔法使いの遺した不老不死の秘儀の謎を探し求め、凶悪な魔法使いに立ち向かうのは赤毛の少年、秘儀盗賊シャンク。黒猫の姿をした元魔法使いの相棒、ブリアンと窮地を脱しようとしてはぐれ、行方知れずに。向かった深い古木の森では、ほかの仲間たち:少女の姿をした魔力結晶のスプレッド・ムーン(通称:どむーん)、自分の...
イラスト:衣澄れい。角川スニーカー文庫。第3回富士見ファンタジア長編小説大賞準入選でデビュー。「魔術士オーフェン」シリーズ、「エンジェル・ハウリング」シリーズの著者の新シリーズ。“不死”の力を求めて非道な実験を繰り返す凶悪な魔法使い(シーカー)たちを相手に、猫の姿をした元魔法使いの相棒のブリアンと、必殺の剣を堤げて立ち向かう若き秘儀盗賊シャンクの冒険を描く連作短編。まず、ザ・オープニングストーリー:...