女ごころを書いたら、女子以上。ダメ男を書いたら、日本一! 男主人公5人VS女主人公5人で贈る、長嶋有ひとり紅白歌合戦。デビュー10周年を迎える、10冊目の単行本!それぞれ異なる雑誌に掲載された10篇を納めた短編集です。時代劇とボクシングでなく、丹下左膳と丹下段平の違いから入る「丹下」、80年代アイドルネタをスパイスにした「マラソンをさぼる」、戦隊物とデスノートが伏線(?)になっている「山根と六郎」、...
恒例の「一人避暑」に行く父親と犬のミロにくっついて、五年ぶりに北軽井沢の山荘で過ごす小説家志望の「僕」。東京に残った妻には、他に好きな男がいる。危ういのは父親の三度目の結婚も同じらしい。―かび臭い布団で眠り、炊事に疲れてコンビニを目指す、アンチスローな夏の終わりの山の日々。ゆるゆると流れ出す、「思い」を端正に描く傑作小説。翌年の山荘行きを綴る『ジャージの三人』収録。失業した息子と写真家だった父親が...
風呂の撹拌棒を人にあげたがる女、鋸を上手に使う娘、北の湖を下の名前で呼ぶフランス人、そして空気の抜けるような相槌をうつ主人公…。自覚のない(少しだけの)変人たちがうろうろと、しかし優しく動き、語りあう不思議なユートピア。柔らかな題名とは裏腹の実験作でもある、第一回大江健三郎賞受賞作。7つの連作短篇。骨董店フラココ屋で住み込みバイトをする主人公。周囲の人たちとゆるやかに着実に親しくなります。ほのぼのほ...
およそありえない取材に出向いた編集者たちの、実話をもとにした南国小説。温かくて、おかしくて、なのに切ない二泊三日。表題作のほか、初のSF小説、奇想天外なゴルフ小説、官能小説に珠玉の書き下ろし新作「青色LED」も加え、第一回大江賞作家が放つ異色作品集。ゲーム攻略雑誌の編集者佐藤と久保田。ゲーム会社のいわくありげな日置。島の自然や人に癒されながら日々を過ごします。 悲しい歴史を感じさせないくらい見知ら...