妻――それはいちばん近くて、いちばん不可解なアナザーワールド。「もしかして、私、ニセモノなんじゃない?」。ある日、六年間連れ添った妻はこう告白し、ホンモノ捜しの奇妙な日々が始まる……。けれどいったい、僕は誰を愛してきたのだろう?真贋に揺れる夫婦の不確かな愛情を描く表題作ほか、無人の巨大マンションで、坂ブームに揺れる町で、非日常に巻き込まれた四組の夫婦物語。奇想の町を描く実力派作家が到達した、愛おしき新境...
動物のイメージをあやつる異能力者の日野原柚月は、同じ能力を持つ者たちが所属する会社に勤めて早10年。孤独ながら安定した日々を送っていた。そんなある日、出来たばかりの新研究所を警備する業務を任される。しかしそこには異能力者のパワーを増幅する禁断の存在が隠されていて…。近くて遠い並行世界を描き出す2つの中編を収録。独特の世界観で入り込むのに少し時間はかかりましたけど楽しく読むことが出来ました。以前の短編集...
まったく新しい「町興し」小説、ここに誕生。ターミナルタウンとして鉄道とともに発展してきた町、静原町。しかしあるとき、乗り換え路線の廃止により、ほとんどすべての列車が、この町を通過することになった――。鉄道に忠誠を誓った町が、鉄道を失ったとき。そこには何が残るのか。凋落したこの町に、人を呼び戻すことはできるのか。さまざまな人の思惑が交錯する、誰も見たことのない「町興し」小説。 「影」を失った男。闇を浴...
「ダ・ヴィンチ」「本の旅人」で四年にわたり連載された人気エッセイが一冊に!Twitterの「ツブヤ記」、特別書き下ろし企画「ケンブツ記」も収録!当たり前と思っていた常識がゆらゆら揺らいでいく?可笑しくて、ちょっとストレンジなエッセイ集! 複数の雑誌で連載していたり、書き下ろしたりしたエッセイをまとめた一冊です。「ダ・ヴィンチ」に連載されていることは知っていましたが、未読でした。ですので読むのが楽しみでした。読...