モップの精は深夜に現れる、近藤史恵

カバー装画は飯田貴子。
１９９３年「凍える島」で第四回鮎川哲也賞を、
当時二十四才の最年少で受賞デビュー。
主な作品「ねむりねずみ」「散りしかたみに」「桜姫」「二人道成寺」
（左記４作は歌舞伎シリーズ）「ガーデン」「スタバトマーテル」「演じられた白い夜」
「カナリヤは眠れない」「アンハッピードッグズ」「茨姫はたたかう」
「青葉の頃は終った」「シェルター」猿若町捕物帳シリーズなど。
「天使はモップを持って」（梶本大介が語り手で８編収録）の続編で、
日常の謎を扱う４編を収録した連作短編ミステリ集です。

ビルの清掃作業員で夜間勤務になったキリコが直面するのは、
娘や部下とのコミュニケーションに悩む中年課長、
仕事や容姿にコンプレックスを持つ女性ライター、
社内でつきあっていた男に二股をかけられたモデルの事件、
そして結婚後の謎の行動を追う亭主、梶本大介。

前作の活躍で、一見十代の世間知らずな女の子のように見えるものの、
その笑顔と鮮やかな働きぶり、
深い洞察力で天使のような役割をするキリコのキャラクターに魅了されました。
いい雰囲気の作品集だったのに続きが読めないのは残念、と思っていました。
こうして続きの話が読めるのがうれしくて、
これまでのイメージを裏切らない（いい意味で裏切る？笑）、出来でした。
ミステリの場合は、デビュー作から読むことをおすすめする性格（たち）ですが、
数ある近藤さんの作品の中でも、これは気軽に読めて楽しめた、いいシリーズです。
関連情報　キリコシリーズ読了本
・・天使はモップを持って　近藤史恵・キリコシリーズ一作目。
・・モップの精は深夜に現れる　近藤史恵・キリコシリーズ二作目。（この本）
・・モップの魔女は呪文を知ってる　近藤史恵・キリコシリーズ三作目。
関連情報　近藤史恵の読了本
・・サクリファイス　近藤史恵
・・タルト・タタンの夢　近藤史恵

モップの精は深夜に現れる (ジョイ・ノベルス) (2005/02) 近藤 史恵 商品詳細を見る

モップの精は深夜に現れる (ジョイ・ノベルス)
近藤 史恵


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