
BookDesign:岩郷重力+WONDERWARKZ。COVER PHOTO:L.O.S.164。
東京創元社ミステリ・フロンティアの1冊。
学生時代から安定堅実志向だった紺屋長一郎、25歳は銀行を辞職後、
故郷の八保市で犬探し専門の調査事務所を立ち上げます。
でも依頼はなぜか、失踪人探しと古文書の解読。
紺屋が押しかけ助手の半田平吉(ハンペー・高校の後輩)に仕事を割り振り、
ふたりの一人称が交互に物語を進めます。
読者は早い時機からふたつの関連がわかりますが、終盤、
ハンペーが一晩で書き上げた報告書で、ようやく話がつながります。
「春期限定いちごタルト事件」、
「夏期限定トロピカルパフェ事件」に続く3冊目の米澤さんでした。
失踪人、佐久良桐子の不可解な行動を追う紺屋の、
自問自答しながらも他者へはツッコミを入れる内心。
探偵への美学で凝り固まったハンペーの、ハードボイルドになりきった語り口。
解きほぐされていく謎を追いかけながら、笑える場面も多くありました。
真相は読んでる途中で思いついた通り・・・でした。
途中まで「桐子はどこだ」または「蟷螂はどこだ」が相応しいタイトルに思えました。
最後の一行で「ペットショップ」という答は出るのですが、ケースブックとして
タイトルだけ先に決めていたのか、あるいは紺屋の内心として
「犬(探しの仕事)はどこだ」だったのかも(笑)。
05年7月初版です。ケースブック2は?。
舞台の地方都市という設定を逆手に取った部分も活かしながら、
次の依頼人は、大南経由の但馬さんとあと何人かでしょう(やっぱり犬探し以外?笑)。
紺屋が全幅の信頼を寄せるチャット相手、SEのGENや河村夫妻についても、
くわしく描かれるのでは。楽しみです。
シリーズ物で1作だけだとちょっとの次の展開は予想しにくいですね。
紺屋が声が嗄れた翌日にしていた発声練習(p100)。
高校時代に放送部だったので懐かしかったです。今はその片鱗もありません(笑)。
あの後は「たてちつてとたと。なねにぬねのなの」と続きます。
そして今回はダイハツ・コペンを運転したくなりました。
次作の活躍も期待したい紺屋の妹、河村梓ほどの腕前は持っていませんけど(笑)。
関連情報ページ:
・・
春期限定いちごタルト事件 米澤穂信・・
夏期限定トロピカルパフェ事件 米澤穂信・・
ボトルネック 米澤穂信・・
インシテミル 米澤穂信・・
遠まわりする雛 米澤穂信
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2006年版聖月大賞受賞作品 傑作である。だから早々と、2006年版聖月大賞(2005年版聖月大賞は◎◎『そのときは彼によろしく』市川拓司)を授与しよう。年末まで待てない。本書がこのミスの国内編1位をとっても評者は別段驚かないし、直木賞だとかその他の有名どころの賞
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犬はどこだposted with 簡単リンクくん at 2005.11. 6米沢 穂信著東京創元社 (2005.7)通常24時間以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見る
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ミステリー小説本当に犬はどこなんだ?『犬はどこだ』★★★★★★(60点)【内容】 2005年7月発行のミステリー探偵小説です。
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