「三歳の娘に何が分かるか」と言い放ち励む父母を見て、三歳の春日は思う。
大人はあまりに子を見くびっている…自己中心的な父と母との生活、
親戚間の妬みや諍い、子供同士の理不尽な人間関係を、
三歳から六歳までの少女の素朴で冷やかな視線から描く、
ユーモアと哀感漂う芥川賞作家の傑作長編。
日々の出来事に落胆や達観。子どもらしくない思考の春日。
試行錯誤の成長物語。読んでいて不自然じゃないのです。
もしかして、子どもってこんな風に考えているのかも。
敏感に感じ取ったことを、大人の言葉に翻訳したって印象です。
子どもがこんな風に思うわけないって思えませんでした。
大人のずるさが解っているのでは、と恐怖まで感じました。
こんな風に思っている可能性。視線が恐くなります。
親に背く子。大道珠貴さんの想像力。すごかったです。
背く子
背く子 (講談社文庫)
背く子 大道珠貴
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小心者で暴力的な父親とたくましいけど気難しい母親。
その二人と一緒に暮らす幼児の春日。
両親、近所の住人、親戚などの大人たちのやりとりを春日は冷ややかに見つめている。
子供らしい大人への期待、失望、あきらめと、それでもたくましく生きていく子供の話。
この
[C16207]