いちばん弱い音が、いちばん強く心に響く。
講談社児童文学新人賞受賞作家待望の第2弾。
家のなかに、一日のうちのたった三分でもいいから、ちゃんと私の話を聞いて、
受け流さずに受け止めてくれる人がいてほしい……松葉
独り暮らしができるようになったらさっさと家を出て、すっごい恋愛をして、
好きな人と幸せに平凡に暮らしたい……紗英
普通の松葉の前に素晴らしいピアノの才能を持つ紗英が現れます。
自分は特別と思いたい、周囲に思わせたい。誰だってたぶん一度は思ったこと。
紗英を特別な存在と思い憧れ、心のよりどころを求めていく松葉。
反発や些細な口争い。一筋縄ではいかない友情。
思春期の気持ちをとても丁寧に描いています。
子供のままでは不自由なことが多すぎる気持ちにとても共感しました。
大人の不条理。自分のもどかしさや苛立ち。世間の矛盾。
押し潰されそうになりながら、最後の思いっ切り突っ走る姿に好感が持てます。
極めて弱く「ピアニッシシモ」梨屋アリエさんの前向きで後味の良い作品でした。
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ピアニッシシモ 梨屋アリエ
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お品書き:「ピアニッシシモ」「ふちなしのかがみ」「眠りの森」
なんだかんだでシュタインズ・ゲートに集中していた今月。読書は薄め...
僕には息子しかいないので、娘を持つという感覚がよく判らないし、正直羨ましい。でも、こういうのを読んじゃうと、娘を持たなくて良かったかもと、しみじみ思っちゃう。 まあでも良い娘ですね、松葉って。
『ピアニッシシモ』
梨屋アリエ
講談社文庫
「ピアニッシモ」だと思っていたら「ピアニッシシモ」だった! ピアニッシモよりもっと小さい音のこと。
お隣から運び出されたひとつのピアノ。その行方から二人の中学生が出会うガール・ミーツ・ガール。
本書で語られてい
ピアニッシシモ (講談社文庫)梨屋 アリエ 講談社 2007-01-12by G-Tools
pでもppでもなく、pppなんですね。心の奥で微かに、でも確かに鳴りひびくピアノの音。
タイトルだけを見ると、なぜかチャイコフスキーの楽譜が頭に浮かんでしょうがないのですが、表紙をめくる
ピアニッシシモ (講談社文庫)梨屋 アリエ講談社発売日:2007-01-12ブクログでレビューを見る»
中学3年生の平凡な少女・松葉は、お隣の家から...
後半はやや切なくもありましたが、これから2人が歩むであろう未来に向かい合う、そんな決意が感じられて、良い読後感を得られました。
コメント&TB.失礼いたしました。