探偵という職業には、どこか胡散臭さが漂う。
本書は、そんな怪しげなイメージを地でいく、調査費水増し請求、
調査結果捏造なんて当たり前な探偵たちのあきれた行状を暴露する、
ブラック系連作短篇集。
探偵業で得たノウハウを駆使してさまざまな悪事を計画する「受けた恩義は」、
探偵として一本立ちするという野望を抱いた男の
トホホな顛末を描いた「カネのにおい」ほか全六編を収載。
『かび』『とげ』など、巻き込まれ系小説の旗手・山本甲士氏が、
シニカルな笑いに挑んだ新境地。
海千山千「迷」探偵たちのあきれた事件簿
探偵を名乗るものは皆、ある一定の調査力を持っている……わけではない。
現在、日本では探偵社・興信所・調査会社を取り締まる法律や規制がないため、
なろうと思えば誰でも探偵になれるから、
ぱちもん業者が巷にわんさと溢れているのだ。
ちなみに「ぱちもん」とは、偽物の意。本書は、そんな探偵たちの怪しい実態と、
依頼人たちとのすったもんだを小気味よく、ときに優しい視点で描いた、
シニカルな笑い満載のどつぼ系連作短編集。
タイトルや帯の文章からハードな内容かなって思っていました。
かなり情けない登場人物たちが織り成す悲劇喜劇の連作短編集。
秀逸なキャラクター作り。大阪の地名と大阪弁がいっぱい出てきます。
各短編のタイトルが内容を的確に表現していて面白いです。
笑いの中に時々ほろりとくる部分もあったりして楽しめます。
偽物「ぱちもん」山本甲士さんの結構泣かせる連作短編集です。
ぱちもん 山本甲士 楽天からも購入できます。
ぱちもん 山本甲士
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