奇跡的な美肌と美貌をもつ京都の名門龍烏家の長女・楼子は、
最愛の兄・琳太郎とともに、揺籃の中で日々美しきものだけを愛する暮らしを送っていた。
その楼子を奇病が襲う。やがて発病を待っていたかのように、
楼子の憧れる美貌の叔母・黎子がやってくる。
その叔母の口から、楼子は、病を伝える龍烏家の秘密を明かされるが…。
美しきものと醜きものを苛烈に峻別してきた美意識が、
己自身の身体を脅かす醜きものに恐怖する。
耽美をモットーとする著者が、美の孤絶を高らかに宣言した異形のホラー。
楳図かずお的ストーリーと著者独特の耽美趣味が組み合わさった物語。
従来のロリータファッション少女のアイデンティティーテーマの作品とは違う世界。
乙女の思想的な部分、美とは何か愛とは何かを追求した作品の印象です。
ロリータファッションに関する記述は少なく、本質的な思想を軸にした展開。
鱗病によって浮き彫りにされる一徹した美意識、醜さ、生きづらさを描きます。
楼子、琳太郎、叔母黎子と勝手で美しい人々の言動が時々愉快で妙にスッキリ。
その一方で、まさしくホラーな軽薄さもあり、とても楽しんで読めました。
切ない「鱗姫」嶽本野ばらさんの乙女的思想が鮮やかです。
鱗姫―uloco hime嶽本 野ばら
鱗姫 (小学館文庫)嶽本 野ばら

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