ミュージシャンをめざして金沢から東京へ出てきた歩(あゆむ)は、いま大学1年生。
いつも週末は井の頭公園で演奏し、自分のうたを歌っている。
歩はそこで同い年の少女遥夏(はるか)と出会い、恋に落ちた。
遥夏は耳が不自由だった。けれど歩の歌は聞こえる、と言う。
遥夏もまた、幼い頃に別れた父との約束を守り、バレエに夢を抱きつづけていた。
ふたりは、遥夏の父を探す旅に出る。
夏から秋、秋から冬、いくつかの季節と思いを超えて、ふたりは新しい現実にたどりつく。
若いピュアなこころの葛藤と成長をみずみずしい筆致で活写した「せつない」ラブストーリー。
『パスカルの恋』で朝日新人文学賞を受賞した新進気鋭の著者渾身の最新青春小説。
「悲しいのはね、不幸せな思い出じゃなくて、幸福な思い出のほうなの」と、遙夏は言った。
吉祥寺のいつもいっしょにいく喫茶店で、雨の日曜日、ホットココアを飲みながら彼女はそう言った。
少しだけ聞き取りにくいあの独特の話し方で。
切ない恋は、小説へ、映画へ。ミュージックビデオから生まれた物語。
時代の先端を行くメディアミックスな企画から生まれた物語です。
大学生でストリートミュージシャンの男の子と耳の不自由な女の子との恋。
一途な気持ち、一途な想い。澄みきった透明感が心地よいです。
音楽プロデューサーが主人公の歩に語る言葉。
「個人的でいて、だからこそ聴く人間それぞれが自分のことだと思える」
人々の奥底に眠っている心を揺さぶる。物語の本質を語っている気がします。
心に「大切なひと」石井睦美さんの柔らかで純度の高い物語です。
大切なひと石井 睦美

大切なひと 石井睦美
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内容紹介
『パスカルの恋』で朝日新人文学賞を受賞した新進気鋭の著者渾身の最新青春小説。
ミュージックビデオから生まれた物語。切ない恋は、小説へ、映...
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