自分を消そうとしていた女が、一軒の古めかしい薬屋にたどり着いた。
つかみどころのない、独身の薬屋店主、平山タバサと町の住人との不思議な日々。
身を任せる安らぎと不安。リリカルな長篇。
ややこしくなった、心と身体がほぐれる魔術的な恋愛小説。
一風変わった店主と、身を寄せた女性や町の住人たちとの物語。
話は薬屋にやってくる人々とのあれこれ。言葉遣いが心地よいです。
命の調節ができる薬。山崎由実の素性。曖昧であやふやなまま進む物語。
タバサといえばサマンサの娘。『奥様は魔女』からの名前からも怪しげ。
現実と夢の狭間のような世界が、不可思議を増していきます。
町の人と適度な距離を保つタバサ。最後のファンタジー場面に驚きました。
謎が多い「薬屋のタバサ」東直子さんの妖しい一面が現れた作品です。
薬屋のタバサ 東直子 楽天ブックスで購入。
薬屋のタバサ 東直子
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「とりつくしま」を読んだ時、温かさや切なさに紛れ込んで、背中をざらりと撫でられるような怖さを感じた覚えがあって、東さん、タダモノではない気がしてたんですけど、あれと同じ匂いが本領発揮されている感じ。 喪失感と泡沫の命の血潮が不毛な渦を巻いて、ひんやりと
「薬屋のタバサ」
東直子著
新潮社
連載をさせていただいている薬学生、薬剤師向け雑誌MILの書籍コーナーに紹介されていた「薬屋のタバサ」を読んでみた。
舞台が薬屋である摩訶不思議な話。どこかの知らない街に迷い込んだ女性と、薬剤師であり、医師でもある!
薬屋のタバサposted with amazlet at 10.02.17東 直子 新潮社 売り上げランキング: 301856Amazon.co.jp で詳細を見る 「誰にとって、必要な人なのでしょうかねえ。私に必要な人は、みんないなくなってしまったのに。誰も、いなくなってしまったのに」 …
薬屋のタバサ 作者: 東直子 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2009/05 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 8回 この商品を含むブログ (22件) を見る すっかり記憶をなくしていて、気付いたらこの町に来ていた女。薬屋のタバサの家に住むことになる…。 タバサの家に身を
薬屋のタバサ作者: 東 直子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/05メディア: 単行本 必要な人がたどり着き、必要なだけ住み着くマヨイガのような街。 どこまでも曖昧で、あまり寝覚めの良くない夢を見続けているような感じ。 なのに底なしの池とか、豆をつまむ小さな手と…
タバサって、確かにマジカルな響きがあるかも。