お金なんていらない。欲しいものはセックスだけ。自分にとっての男の価値は、
生活や人生を守ってくれることではない。それは愛とは思わない。
欲しいと求められて、はじめて自分の存在が必要とされていると思う。欲望こそ愛なのだ。
AV業界の「なんでもあり」のなかのしぶとさや優しさを描く表題作ほか。
8つの短編小説集。登場人物や設定がすべて異なり、多様性があります。
AV男優、AV女優、ホモ、痴漢、女子高生等々の主人公。細かく生々しい迫力。
セックスによって得られる快感を逆説的な証明として提示しています。
嫌で辛くて苦しくて望んでいないけど、こうでしか生きられない部分。
世間一般の良識から外れていようともこの生き方しか出来ないやるせなさや悲哀。
それらを抱えながら生きる人間をリアルに切々と描いています。
リアルな描写の先に孤独、人生の意味、哲学すらあるように思えるのです。
人間の生き様というものを赤裸々に綴ってヒューマン要素が根幹にあると感じます。
官能的な「すきもの」前川麻子さんの経験しにくい世界観が味わえる作品です。
目次・悪霊退散/覆面男/うどん/僕の天使/純情急行/携帯情事/すきもの/裸の花道
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すきもの 前川麻子
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