「月神（ダイアナ）の浅き夢」柴田よしき

若い男性刑事だけを狙った連続猟奇殺人事件が発生。
切り取られ木にぶらさげられた男の肉体。
誰が殺したのか？次のターゲットは誰なのか？
刑事・緑子は一児の母として、やっと見付けた幸せの中にいた。
彼女は最後の仕事のつもりでこの事件を引き受ける。
事件に仕組まれたドラマは錯綜を極め、
緑子は人間の業そのものを全身で受けとめながら捜査を続ける。
刑事として、母親として、そして女として、自分が何を求めているのかを知るために…。
興奮と溢れるような情感が絶妙に絡まりあう、「ＲＩＫＯ」シリーズ最高傑作。

女刑事ＲＩＫＯシリーズの第３弾。母親となり愛しい男と共に暮らし始めた緑子。
刑事という命の危険に晒される仕事を続けるべきか悩み続けます。
奔放な緑子、野蛮な男達、凄惨な事件。たぶん読者を選ぶ作品・シリーズ。
でも緑子の優しさがあればこそ、この作品は成り立つのでしょう。
事件の渦中へと肉薄してゆく緑子の「刑事ならでは」の勘が冴え渡っています。
緑子がいなければ間違いなく解決までに至らないってことが読めばわかります。
ギリギリまで心と体を傷つけられながらも犯罪を追うタフな女性ミステリー。
彼女の痛さは現代女性の働く痛さでもあるようで、それも共感を呼ぶのだと思います。
痛い「月神（ダイアナ）の浅き夢」柴田よしきさんの人気シリーズ。次も期待です。

月神(ダイアナ)の浅き夢 柴田よしき

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月神(ダイアナ)の浅き夢 (角川文庫)柴田よしき

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