せっかく家族でハワイに来たのに、兄は機嫌が悪いし、両親はケンカばかり。
うんざりするちなつの前に、なぜか日本にいるはずのおばあちゃんが現れた。
一緒に家族の絆を取り戻そうとするのだが----。うまくいかない現実も、
ささくれだった心も、ハワイはやさしく包み込み、解き放ってくれる。
家族の再生、かけがえのない存在との別れを通して、
しなやかに成長する少女の物語。<解説・藤田香織>
旅行前から険悪な雰囲気の一家。
読み進むと仕事一筋のパパにママがキレたらしいというのがわかってきます。
それぞれの理想とする家族像の違いがぶつかりあった結果の喧嘩だったのです。
そこへ現れたのが、ちなつにしか見えないおばあちゃんの魂。
元芸者のおばあちゃんの、ちゃきちゃきっとした物の言い方がすごくいいのです。
ちなつに大切なことを教え、家族が家族でいられるように、適切なアドバイス。
息の合ったやりとりが、時に涙を誘い、時に幸せな気分にさせてくれる物語。
兄ヨウジもパパもママも気持ちをさらけ出して、自分に正直になることができます。
お互いに言葉を交わすことでわだかまりが少しずつほぐれていきます。
おばあちゃんが残していった、「マハロ」(ありがとう)の言葉が切ないです。
健気な「ちなつのハワイ」大島真寿美さんの家族が優しさを取り戻していく物語です。
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