頑な心と心が接触する土地。4人の直木賞作家の「食と愛」の物語。
10月放送の、NHK・BSハイビジョン紀行番組
「プレミアム8」に登場する4人の女性作家が、
それぞれヨーロッパのスローフードやソウルフードを求めて旅をし、
その土地を舞台に書かれる短編小説アンソロジー。
その小説は、ドラマ化され、番組に挿入される。
井上荒野はピエモンテ州(イタリア)、江國香織はアレンテージョ地方(ポルトガル)、
角田光代はバスク地方(スペイン)、森絵都はブルターニュ地方(フランス)。
目次・神さまの庭(角田光代)/理由(井上荒野)/
ブレノワール(森絵都)/アレンテージョ(江國香織)
直木賞女性作家4人が各土地の風土や料理を題材に、現地の人々を描いた短編集です。
難民キャンプで食事を作る国際NGOのメンバー、意識不明の夫を見舞い続ける女性、
田舎に住む信心深い母親との関係に葛藤するシェフ、恋人の浮気に悩む同性愛の男性。
各話の主人公は、作家によって四者四様です。
それぞれの民族や家族のしがらみと閉塞感から自由になりたいともがく若者の葛藤。
でも気づくと、温かい食卓の思い出を求めている、そんなお話が集められています。
人の心の様々な在りようが、料理のある風景と調和すること。
それが鮮明に、情緒と質感を伴って浮かび上がってくるような構成になっています。
「食卓をともに囲む」って当たり前のようでとても大事なことなんだって実感。
故郷、家族、自由、独立というものについて考えさせられる「後に残る」作品です。
料理には「チーズと塩と豆と」切なくもほっこりする短編集です。
「チーズと塩と豆と」角田光代・井上荒野・森絵都・江國香織 楽天からも購入できます。
「チーズと塩と豆と」角田光代・井上荒野・森絵都・江國香織
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読みましたー。
読み易くって一気読み。
角田さんと江国さん目当てで借りて、印象に残った話は井上さんと角田さん、かな。
江国さ...
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昨秋、NHKのBShi「プレミアム8 愛と胃袋」で
コラボされた直木賞作家4人の短編集。
TVで見ていたので、機会があったら読んで
みた...
チーズと塩と豆と(2010/10/05)井上 荒野、江國 香織 他商品詳細を見る
NHK BSハイビジョン「愛と胃袋 直木賞作家が食べて書くヨーロッパの田舎」
という番組企画の書き下ろし小説。
「食」というテーマのも...
今後ともよろしくお願いします。