築25年の一戸建て。料理さえ作れば家賃はただ。そんないい話を見逃す手はない。
こうして私は変わり者の銀子さんの家に居候することになったのだが、珍事件が次々と……。
失恋。引越し。このありきたりな行動パターンが、柊子に思いもかけない体験を…。
不思議で魅力的なルームメイト、奇怪な同居人。涙と笑いと謎解きの連作。
20歳代後半の、さっぱりとした女性が主人公なのはいつも通りです。
ベタベタしない、さらりとした筆致で描く思考や行動に今回も共感し同感します。
特別なヒーローやヒロインはいなくて、登場人物が等身大の人間であることが魅力。
とても人間くさく欠点もたくさん持ち合わせている、そこらへんにいそうな人たち。
柊子を取り巻く銀子さん、夏見、竜郎、ご近所の面々がユニークです。
日常からの謎に、その都度誰かが探偵役をつとめ、解決へと導いていきます。
大掛かりなトリックがなくても日常にひそむ謎でこれだけの物語が作れるのです。
世間知らずで常識ずれした銀子さんに振り回されながら日々に愛情を抱いていく柊子。
弱い自分をなんとかしよう、向こう岸へ渡ろうとする柊子にとても好感が持てます。
人は誰もが強いわけではなく、自分自身にコンプレックスを持っているのです。
それでもいろんなことに一生懸命になっていると、ユーモアを交えた毒気で描きます。
着想「サンタクロースのせいにしよう」若竹七海さんのお洒落で温かい物語です。
目次・あなただけを見つめる/サンタクロースのせいにしよう/
死を言うなかれ/犬の足跡/虚構通信/空飛ぶマコト/子どものけんか
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「サンタクロースのせいにしよう」若竹七海
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若竹七海『サンタクロースのせいにしよう (集英社文庫)』集英社,1999 秋山真琴さんの感想を読んで手に取りました。失恋したばかりの柊子が、有名な俳優を父に持つ銀子という女性の家に同居するところから物語は始まります。日常の謎を扱った作品。 楽しい同居生活の始まりと
サンタクロースのせいにしよう(1995/08)若竹 七海商品詳細を見る
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