姉とその娘が大阪からやってきた。三十九歳の姉は豊胸手術を目論んでいる。
姪は言葉を発しない。そして三人の不可思議な夏の三日間が過ぎてゆく。
第138回芥川賞受賞作。
娘の緑子を連れて豊胸手術のために大阪から上京してきた姉の巻子を迎えるわたし。
その三日間に痛快に展開される身体と言葉の交錯!
前回候補作『わたくし~』の文体は強烈に個性的でした。
このままかな?と思ったら、テイストを保ったままずっと読みやすくなっています。
でも独特のリズムある文体はそのままで、今回もその世界に引きずり込まれます。
文章からあふれるエネルギーのすごさ。関西弁であるのも必然と思えてくるほどです。
大阪弁モノローグ主体の文章の流れに身を委ねていく感じ。
異様なまでに長い個々の文章から苦労せずに情景や心象風景が頭に入ってきます。
クライマックスでは「魂の開示」のような壮絶なシーンが繰り広げられるのが痛快。
卵、卵細胞、卵子、そしてメタファーとしての玉子をツールにつながる内容。
ストーリーも最後にきちんとカタルシスがあり、サービス精神が溢れています。
豊胸しか頭にない母親と性徴に戸惑う娘という設定、その母子と語り手の距離感、
三日間のできごとがきっちり並べられた作品構造、全てが満点。
本質の「乳と卵」川上未映子さんの主人公の息遣いまで聞こえそうな文章が凄いです。
目次・乳と卵/あなたたちの恋愛は瀕死
「乳と卵」川上未映子 楽天からも購入できます。
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「乳と卵」川上未映子
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『乳と卵』 川上 未映子 著 文春文庫 \400 (税込)
【著者略歴】
川上 未映子
1976年、大阪府生まれ。「夢みる機械」(2004年)「頭の中と世界の結婚」(2005年)などのアルバムをビクターエンタテイ...
娘の緑子を連れて豊胸手術のために大阪から上京してきた姉の巻子を迎えるわたし。その三日間に痛快に展開される身体と言葉の交錯!
ポトスライムの舟を読んだあとに読みました。第138回芥川賞受賞作で...
川上未映子 → 「現代の樋口一葉」・・・という触れ込みで売っているのが、第138回芥川賞受賞の「乳と卵」(ちちとらん)、川上未映子作。この触れ込みにおもわず一冊買ってしまいました。 この作家は、ルックスがとてもいいので、ヴィジュアルな方面から
定期便のあーちゃん電話。
「あのね、日曜日にね、ママのお誕生日だったからお祝いにパパとママと3人でガストに行っておうどん食べたの」
「よかったね」とは言ったものの「年に1度のお誕生祝いの外食がガスト・・・しかもおうどん・・・どこまで貧しいのん・・・??
内容(「BOOK」データベースより) 娘の緑子を連れて大阪から上京してきた姉でホステスの巻子。 巻子は豊胸手術を受けることに取り憑かれている。 緑子は言葉を発することを拒否し、ノートに言葉を書き連ねる。 夏の三日間に展開される哀切なドラマは、身体と言葉の狂お…
川上未映子さんの<乳と卵>がなかなか面白いです。
しかし彼女の文章はまあ何と粘着質なのでしょうか。
下のような長~い文章が最初から最後までつぎつぎに出てくるのですよ。
<巻子らは大阪からやっ...
【乳と卵】 ・・・・・・・・ 川上未映子
第138回芥川賞受賞作「乳と卵」は、東京・三ノ輪の「わたし」の部屋が舞台。
大阪から姉の巻子よその娘で小6の緑子が「わたしの部屋」にきた。
上京の目的は豊胸手術を受けることだが、わたしは豊胸へのこだわりが
釈...
別に変わった事もないのだが、なんかツイッターってそのものを使ってる人よりもそれを解説するメディアの頑張ってる感じが目立って、なんか体の中の触れない部分がかゆい。私はやってないしやらないしどうでも...
乳と卵(らん) (文春文庫)(2010/09/03)川上 未映子商品詳細を見る
【あらすじ】
主人公の姉巻子は、豊胸手術をしたがっている。強く豊胸に執着している。
巻子の娘緑子は、言葉を発さない。初潮前で第二次性...
乳と卵(らん) (文春文庫)(2010/09/03)川上 未映子商品詳細を見る
【あらすじ】
主人公の姉巻子は、豊胸手術をしたがっている。強く豊胸に執着している。
巻子の娘緑子は、言葉を発さない。初潮前で第二次性...
「乳と卵」@川上未映子
「でも緑子な、ほんまのことなんてな、ないこともあるねんで、何もないこともあるねんで。」
乳と卵(らん) (文春文庫)(2010/09/03)川上 未映子商品詳細を見る
第138回芥川...
ものの20秒ほどで済みそうな用事のために、
往復で4時間かかる大学へ行くはめになり、
春休み中のため定期が無いので、交通費も4桁くらい必要であり、
なんだか悔しかったので、
1割引で買える大学生...
姉とその娘が大阪からやってきた。三十九歳の姉は豊胸手術を目論んでいる。姪は言葉を発しない。そして三人の不可思議な夏の三日間が過ぎてゆく。第138回芥川賞受賞作。娘の緑子を連れて豊胸手術のために大...
乳と卵(らん) (文春文庫)(2010/09/03)川上 未映子商品詳細を見る
芥川賞受賞作。
文体にクセがあるので、好き嫌いが分かれそうですね。
女の子が結論もなくダラダラとお喋りをし、話ていく中で思考がまと...
姉とその娘が大阪からやってきた。三十九歳の姉は豊胸手術を目論んでいる。姪は言葉を発しない。そして三人の不可思議な夏の三日間が過ぎてゆく。第138回芥川賞受賞作。娘の緑子を連れて豊胸手術のために大...
たくさん本を読まれていますね。
またたびたび参りたいとおもいます!!
TBいたします<(_ _ )>