奇妙な恋、奇妙な幸せ。いびつで切ない下宿物語。
大家の綿貫千鶴と入居者大和葉介、山岡椿、鯨井小春、真島晴雨。
主人公が脇役にという連作形式でそれぞれの心の襞を丁寧に描き出していきます。
冒頭は、軽快な青年の淡い恋心や大学進学のために上京した時の心境。
徐々に部活の先輩への想い、駆け落ち、 失恋、同性愛、カミングアウト、
強姦、幼児虐待、親子愛と男女の愛等 重いテーマに移っていきます。
コミカルな文やしっとりとした文など各章独特の書き方で息苦しくなることを回避。
恋愛だけではなく、他者との関係を構築することの難しさや、かけがえのなさ。
各章ごとにホロッとする山場があり、笑いがあります。
島本さんの描く物語世界の幅と奥行きが増したことに嬉しさを感じました。
丁寧な描写と、時々グッとくる印象的なフレーズがあり良かったです。
ユニークな「真綿荘の住人たち」島本理生さんの心温まる一冊です。
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「真綿荘の住人たち」島本理生
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奇妙な恋、奇妙な幸せ。いびつで切ない下宿物語。 (「BOOK」データベースより)
簡潔な内容説明になるほどと、頷く・・・。
真綿荘の住人たち 作者: 島本理生 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2010/02 メディア: 単行本 クリック: 30回 この商品を含むブログ (40件) を見る どうも島本さんの作品は まさかぁ~と思えるような経験をしている人が多いように思う。 まぁ、この広い世の中、事実は
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