「砂漠の悪魔」近藤史恵

親友を裏切った報いがこの過酷な人生なのか親友を自殺に追い込んだ広太は、
ヤクザに脅されて厳寒の北京へ旅立つ。
第十回大藪春彦賞受賞者の近藤史恵が、日本と中国を舞台に描く渾身のロードノベル！。
大学生の広太は小さな悪意から親友を死なせてしまう。
平凡な大学生活から一転、極寒の北京で日本人留学生の鵜野と出会い、
広大な中国西部を旅することに…。
終着地のウイグル自治区で、広太は生きる意味を見いだせるのか。

実際手をかけたわけではないのに、ヤクザに脅されて薬の運び屋にされてしまう広太。
この部分は少し唐突で無理があるような気がします。
鵜野との出会いから広大な中国西部を旅することになります。
広太の変遷する心模様の描き方が巧みです。
少数民族問題まで盛り込んで進展する中国の描写はリアルで息苦しい場面もあります。
文章の読みやすさと登場人物の描写が丁寧で一気に読めます。
壮大なスケールの「砂漠の悪魔」近藤史恵さんの乾いた文体が心地良いです。

砂漠の悪魔 近藤史恵

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