月刊社内報の編集長に抜擢され、若竹七海の不完全燃焼ぎみなOL生活はどこへやら。
慣れぬカメラ片手に創刊準備も怠りなく。そこへ「小説を載せろ」とのお達し。
プロを頼む予算とてなく社内調達ままならず、大学時代の先輩に泣きついたところ、
匿名作家を紹介される。かくして掲載された十二の物語が謎を呼ぶ、贅を凝らしたデビュー作。
出てくる謎は日常の不思議なこと。密室、暗号、ホラー、ほのぼの系ありと多彩です。
ほとんどは人畜無害な謎で、バラエティに富んだ内容。最後まで飽きずに読めます。
四月から三月までを背景にした季節感溢れる全十二編の連載が終了した時、
編集長を務めていた若竹七海は、作者が小説に込めた驚くべき意図に気づきます。
匿名作家は誰かが一番の謎解きと思っていたら、あっけなくその人物が出てきてラスト。
「ちょっと長めの編集後記」「配達された最後の手紙」で、その後はどうなったのか。
余韻が残って手紙では語られなかった後日談への想像が、あれこれと膨らんでいきます。
長篇としての大仕掛けに驚きますが、個々の短篇もそれぞれ違った味わいが楽しめます。
それと、社内報に掲載された連作短編の中に、いろんなミステリの作品が出てきます。
タイトルが書かれていない作品もありますが、推測できるようになっています。
作中の人物もミステリ好きで、ミステリを読んでいる場面に出会うと嬉しくなります。
本の題名が不明なら、読んでるミステリって何だろう?と俄然興味が湧いてきます。
これが「ぼくのミステリな日常」若竹七海さんの洒落た趣向と遊び心が山盛りの連作短編集です。
「ぼくのミステリな日常」若竹七海 楽天からも購入できます。
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「ぼくのミステリな日常」若竹七海
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ぼくのミステリな日常 (創元推理文庫)著者:若竹 七海東京創元社(1996-12)販売元:Amazon.co.jpクチコミを見る若竹七海さんのデビュー作である「ぼくのミステリな日常」を読みました。本書 ...
月刊社内報の編集長に抜擢され、若竹七海の不完全燃焼ぎみなOL生活はどこへやら。慣れぬカメラ片手に創刊準備も怠りなく。そこへ「小説を載せろ」とのお達し。プロを頼む予算とてなく社内調達ままならず...
月刊社内報の編集長に抜擢され、若竹七海の不完全燃焼ぎみなOL生活はどこへやら。慣れぬカメラ片手に創刊準備も怠りなく。そこへ「小説を載せろ」とのお達し。プロを頼む予算とてなく社内調達ままならず...
あらすじ
建設コンサルタント会社に勤める若竹七海は社内報の編集長に。異動に面食らいつつ企画会議だ取材だと多忙な日々が始まる。娯楽面充実のために小説を載せろと上層部のお達しに、大学時代の先輩に泣...
ぼくのミステリな日常 (創元推理文庫) 作者: 若竹七海 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 1996/12 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 7回 この商品を含むブログ (59件) を見る 感想は コチラ に。 同じ作家の作品は1月以上の間隔を空けて読む、という決まりを守って読
ぼくのミステリな日常 (創元推理文庫) 作者: 若竹七海 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 1996/12 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 7回 この商品を含むブログ (59件) を見る 感想は コチラ に。 同じ作家の作品は1月以上の間隔を空けて読む、という決まりを守って読
ぼくのミステリな日常 (創元推理文庫) 作者: 若竹七海 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 1996/12 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 7回 この商品を含むブログ (59件) を見る 感想は コチラ に。 同じ作家の作品は1月以上の間隔を空けて読む、という決まりを守って読
社内報の編集長を任された若竹は、小説を入れるという要望に先輩を頼るが、その先輩から匿名でよければと名乗りを上げたものがいるとのことで、匿名作家を起用。毎月、実際にあった話を元に載せられるミステリーを、四月から順に。
先輩が見た放火の話。朝顔に取り憑かれ...
コメント&トラックバックありがとうございます。
最後は何かあるとわかっていても、やられた感がある作品でした。
またよろしくお願いします。