
ブックデザインは熊谷博人・釜津典之。カバーデザインは板野公一。
カバー挿画は石黒亜矢子。組版レイアウトは京極夏彦。
読んだ作品「姑獲鳥の夏」「魍魎の匣」「狂骨の夢」「鉄鼠の檻」「絡新婦の理」
「塗仏の宴 宴の支度」「塗仏の宴 宴の始末」「陰摩羅鬼の瑕」(京極堂シリーズ)。
「百器徒然袋−雨」「百器徒然袋−風」(榎木津シリーズ)など。昭和二十八年夏。
江戸川、大磯、平塚と連鎖するかのように毒殺死体が続々と発見されます。
その被害者と榎木津は見合い予定だったため、榎木津本家筋から調査依頼が。
探偵見習いの益田と、文士関口が謎の渦中に飛び込んでいきます。
それは戦時中に旧陸軍研究所が極秘に研究開発した毒物でした。
これまでに輪を掛けた登場人物の多さに、頭の中で整理しながら読み進みました。
ふたりが確信に近づけず周囲をうろうろしてるだけのような気もしながら、
誰がどのような目的で使ったのか、そして今は誰の手元にあるのか―。
手にした凶器の万能な特徴で殺人が引き起こされるため、
きちんとした犯行理由よりも衝動が勝っていて、現在に近い手ざわりでした。
p526で山下警部補の、「筋が通らない感じ、邪悪な魔物が飛び移るような」
犯行イメージから事件の妖怪を関口が簡単に命名したので、
いつ京極堂に弟子入りしたの?と突っ込んでしまいました(笑)。
榎さん(榎木津礼二郎)は、人を食ったような登場で毒舌も傍若無人ぶりも健在。
ふたりへの罵倒もいつも通りの一方、“隠し事”の一抹の影から少し大人に見えたりも。
そして黒衣の男、京極堂(中禅寺秋彦)の憑き物落とし。
今回も一見無関係に思えるエピソードなど、遠いところから巡り巡って到達する結末。
“別の話”が幾重も描かれ連なっていく中で明かされる真実の驚きに、
読み応えがありました。哀感が漂うラストシーンが印象的でした。
前作「陰摩羅鬼の瑕」がその前の「塗仏の宴」上下巻からトーンダウンした印象で、
期待低めだったのですが、濃厚な京極ワールド、復活を遂げた気がします。
p291の益田の考察―榎木津と中禅寺の補完関係が、興味深かったです。
榎(エノ)さんの最後の台詞が心に響きました。
これだけ長いシリーズで登場人物に愛着も持っていると、
どちらかといえば淡白な描かれ方をしている京極堂の妻、千鶴子さんや妹の中禅寺敦子、
関口の妻の雪絵さんを主役に、当時の風俗を織り込んだ、
日常の謎解きのような物語を読んでみたくなりました。
でも京極さんは、たぶん書かれないでしょう。なので、
西尾維新さんが清涼院流水さんのトリビュートや、
「デスノート」のノベライズをされたみたいに、
どなたかこのシリーズが好きで詳しい作家さんに書いていただけないかな、
と思ったりしています。
宮部みゆきさんだと大宮極の関係もあり今や大御所だから書きそうにない?。
小野不由美さんだと当時の風俗に詳しそうですがトリビュートはどうか?。
日常の謎といえば北村薫さんや加納朋子さんですが当時の風俗がネックかも?。
と、妄想が暴走開始(笑)。
次回作は『鵼の碑(ぬえのいしぶみ)』。木場修の活躍を期待したいです。
関連情報 京極夏彦の読了本
・・
旧怪談―耳袋より 京極夏彦
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「殺してやろう」「死のうかな」「殺したよ」「殺されて仕舞いました」「俺は人殺しなんだ」「死んだのか」「―自首してください」「死ねばお終いなのだ」「ひとごろしは報いを受けねばならない」 昭和二十八年夏。江戸川、大磯、平塚と連鎖するかのように毒殺死体が続々
久しぶりの京極堂シリーズの長編。先のエントリーにも書いた特装版、小冊子の件、さらに去年の騒動と合わせて、内容とは別のところでも話題になった人騒がせな本です。邪魅の雫京極 夏彦 講談社 2006-09-27売り上げランキング :
三年ぶりの新刊は、外伝あたりでよく噂になっていた大磯の事件のお話。
邪魅の雫/京極夏彦この感じをいったい何に例えればわかりやすいだろう。野外のフェスやライブで、焦ってないような顔しながらも、ゲートをくぐるとなぜか早足になったり小走りになってしまう感じ、みたいな。店頭には比喩ではなくまさに山のように積まれているのに、とにか
邪魅の雫≪内容≫「殺してやろう」「死のうかな」「殺したよ」「殺されて仕舞いました」「俺は人殺しなんだ」「死んだのか」「──自首してください」「死ねばお終いなのだ」「ひとごろしは報いを受けねばならない」昭和二十八年夏。江戸川、大磯、平塚と連鎖する....
私は原則文庫以外は買わない方針だというのに、どんなに場所ふさぎだろうと、どんなに高かろうと(ノベルスで1600円って…)、どんなに厚く読みにくかろうと、この京極堂シリーズは必ず買ってしまう。。。(かなり待たされてい
ようやく読了! 本は去年の10月に購入済みだったのだが…厚さ4cm(817頁)は、さすが重かった(笑)特に前半は進まない。なんと言っても、くどい。理屈、屁理屈のオンパレード。まぁ、これが京極さんの売りでもあるのだが…《「殺してやろう」「死のうかな」「殺したよ」
邪魅の雫京極 夏彦「殺してやろう」「死のうかな」「殺したよ」「殺されて仕舞いました」「俺は人殺しなんだ」「死んだのか」「―自首してください」「死ねばお終いなのだ」「ひとごろしは報いを受けねばならない」昭和二十八年夏。江戸川、大磯、平塚と連鎖するかのように
はふぅ〜ようやく読み終わったよ、「邪魅の雫」。嗚呼、手が疲れた。今回は、探偵榎木津の縁談破壊工作に、ますだおかだ、じゃなかった益田関口が大奮闘!こけし青木君もかなりいい味出してます。死にました。またまた連続(?)殺人事件。都合6名。「あなたが、蜘蛛だった
昭和二十八年夏。江戸川、大磯と相次いで毒殺事件が発生する。そして──平塚。被害者の女性は偽名で生活し、身許不明。
京極夏彦の、妖怪シリーズ新作。3年ぶりということと、確か昨年、発売されるされないで勘違い情報が出ていたこともあって、相当待ち望んでいた1冊です。今回は、いつもの中心キャラの出番が少なく、脇役メインの作品の為、本編というよりも番外編に近い。といっても、一見
待ちに待たされた3年ぶりの
京極堂シリーズの新刊です。
いつもながらの辞書並みの
厚さです!!(笑)
ホントは、一気読みしたかったのですが
今回は時間がとれず、
やっと読了です!!
舞台は、昭和二十八年夏。江戸川、大磯、平塚と相次いで
毒殺事件が発生
トラバ&コメントありがとうございました。
どなたかこのシリーズが好きで詳しい作家さんに書いていただけないかな>
無理だとは思いますけれど、私も小野不由美さんが雰囲気合っていていいように思います。けど、小野不由美さんにはその前に十二国記の続きを是非出して欲しいですね。ものすご〜く、待ちこがれているので。
厚さもさることながら、内容も大満足の1冊でした。
榎さんにはすっかりやられてしまいましたし…^^
次か楽しみですね♪