「密室の鍵貸します」東川篤哉

その日、烏賊川市立大学映画学科の四年生・戸村流平は、二つの死への嫌疑をかけられた。大学の先輩である茂呂耕作と、元彼女の紺野由紀。流平は、由紀の死に関しては完璧にアリバイがあるのだが、それを主張できない。なぜなら、由紀が死んだ夜、流平は鍵のかかった茂呂の部屋で、彼の死体を発見していたから…。緻密な構成と大胆なトリック、飄々とした筆致。極上の本格推理デビュー作。
光文社カッパ・ノベルスの新人発掘プロジェクト＜KAPPA—ONE＞レーベルの第一弾。
２００２年４月に同時刊行された４作品の内のひとつです。
題名はコメディ映画の名作「アパートの鍵貸します」のもじりです。
ふたつの殺人の容疑者流平は、姉の元夫、私立探偵の鵜飼杜夫に助けを求めます。
かくして、警察の追及から逃がれながら、流平・杜夫の真相究明が始まる。
全編にわたり飄々としたユーモアをベースにしながらもコアの部分、不可能犯罪を解明。
語り部がじゃまにならない程度に軽妙なジョークや突っ込みでフォロー。
正統的な「本格ミステリー」として、真面目で論理的なものになっています。
伏線も上手くきちんとちりばめられているあたりも実にフェア。
ユーモア小説を笑いながら楽しんで読んでいるうちに、
「本格ミステリー」の謎解きに、知らぬ間にたどり着いているという趣向です。
ユーモアという味付けと共に久しぶりにキレのいい「本格パズラー」を堪能。
「密室の鍵貸します」東川篤哉さんのデビュー長編。楽しいユーモア本格ミステリー。

密室の鍵貸します (カッパ・ノベルス―カッパ・ワン)東川篤哉

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密室の鍵貸します (光文社文庫)東川篤哉

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