お子さん、まだ?焦りと戸惑い、嫉妬、胸の中からあふれだす願望。
結婚しても、競争は終わらない。妊娠と出産をめぐる現実を書ききった渾身の長編。
由佳子がネット新聞に掲載した女性たちの体験記と、刑事事件の背景や裁判経過の調査。
多種多様な女たちの妊娠に由佳子自身の生活を交差しながら描く構成は面白いです。
医療問題を定義する内容としては詰め込みすぎて散漫になったように感じます。
妊娠出産問題を抱える女性心理を描いていること。切実な状況はひしひしと伝わります。
「子宮は子供の宮殿」という本文は、正しくこの本を表現している言葉と思いました。
理屈ではない、感情的と言われようとも、子どもを望む女の世界を描いた1冊。
きっと「もうすぐ」橋本紡さんの熱意が本の端々から十分に伝わる良い作品でした。
「もうすぐ」橋本紡 楽天からも購入できます。
「もうすぐ」橋本紡
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ヒトはなぜ子どもを生むのか?出産適齢期への焦りと戸惑い、尽きない願望の行方を描いた長編。賛否両論あるのかもしれませんが、現在の妊娠と出産の問題をうまく描いていて、私自身はなかなか面白く感じました。
もうすぐ 作者: 橋本紡 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2009/03 メディア: 単行本 クリック: 19回 この商品を含むブログ (26件) を見る 純愛ものを期待して、橋本さんを予約。 すぐ借りられたのがこの本でだった。 この本は赤ちゃんを授けてほしいと願う人たちの本だっ
橋本紡『もうすぐ』新潮社,2009 橋本紡さんの作品感想 ネット新聞の記者の由佳子と主夫の哲也の会話など、何事もない日常がとてもまぶしく見える光景はいつも通り素敵。また、哲也の存在や猫や料理の描写があるので、いつもの橋本さんの小説です。 でも、これまでと感触が少
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