「さびしい女神 僕僕先生」仁木英之

シリーズ四作目にして長編。旱魃の女神が封印されている辺境での話です。
過酷な運命に翻弄され恐れられ疎まれている魃を、なんとか助けられないものか！？。
特にこれといって優れたところのない人間である王弁が奮闘する姿に胸打たれます。
王弁が、何ゆえ多くの人の心をつかみ開かせることが出来るのか？
王弁の魅力が伝わってくる物語に仕上がっています。
前３作品は面白いものの頁を捲る手が止まらない！という類のお話ではありませんでした。
しかし、このお話はスケールも大きく劇的で、ハイスピードで一気読みでした。
僕僕先生の過去がわかったり、神々の戦争がでてきたりと、シリーズ最大。
今までの不思議なエピソードの断片が一つずつ繋がっていく作品です。
物語の情景が自分の心の中のスクリーンに映し出されてくるかのようです。
終盤のあるシーンで思わず泣いてしまったくらいです。
まさか僕僕先生シリーズで泣く日が来るとは自分でも驚きです。
僕僕先生の過去も徐々に明らかになりつつあります。
魃は「さびしい女神」仁木英之さんの人気シリーズ。次作がとても楽しみです。

さびしい女神―僕僕先生 仁木英之

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