あの時、ああ言えばよかったと「思い出し推敲」し、「思い出し怒り」に駆られても、
同じ状況はなかなか訪れない。記憶の波が、時おり押し寄せ、溺れそうになる…。
脳内に散らばるよしなしごとを検索探訪し、ペンと画筆で描く、初の試み。
永遠に続くかと思われる単調な日常生活が当たり前と考えていると、
実は、かなりあやふやで漠然とした大宇宙の中に、
ぽつんと浮かんだボートの上で、厳粛に営まれているのだと提言。
例えば「台所の床にひどくきしむ箇所がある。」から始まる謎。
解決は「だからむやみに床板をはがしたりしてはいけない。」となります。
虚空に耳を澄ましながら、淡々と積もっていくこと。
日常に対するフラストレーションとノスタルジー。
日常を丁寧に愛し、深く分析しながら淡々と進む筆致。
やがて来るのかどうかもわからない「その時」を待たずにはいられない…。
漫画と文章による、ピュアな中年男性のための極上エッセイです。
「終電車ならとっくに行ってしまった」フジモトマサルさんのゆるく淋しく面白い本です。
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