結婚までの日々を順調に送っているかに見えた明日羽(あすわ)は、
ある日突然、婚約者の譲(ゆずる)さんに別れを告げられる。
目の前が真っ暗になった明日羽に、ちょっと変わり者で独身の叔母・ロッカさんは、
「やりたいことや、楽しそうなこと、ほしいもの、全部書き出してごらん」と、
“リスト”を書くように言う。
「ドリフターズ・リスト」、つまり、漂流する者たちの指針になるリストだ。
環境を変えて立ち直ろう、きれいになって譲さんを見返そうとリストを埋めていく。
書き足しては実行し、加えては削り…やりたいことを考えることは、
自分を知ることだと気付いた明日羽は、ときにつまづき、迷いながらも、
ロッカさんや幼なじみの京、同僚の郁ちゃんに助けられ、「明日へのリスト」を作っていく。
そしてリストがいらなくなったとき、そこには新たな発見が待っていた-。
主人公が突然婚約破棄されて、落ち込むところから話は始まります。
人生においての失敗やつまづきがあったときは自分がわからなくなるもの。
ネガティブな感情を持ってしまったり、自分に自信がなくなったり。
傷ついた心とプライドといろんな想いを抱えた主人公。
それでも毎日を丁寧に生きてゆく中で、少しずつ立ち直って前へ進んでゆく明日羽。
その姿が、とてもとても素敵な言葉とともに、丁寧に描かれています。
ごく普通の日々を大切にすること、きちんと暮らすこと。
そうしたことがどれほど心を磨いてくれるか、心にしみてくるようです。
苦しみや立ち直れそうにないことに出会っても、人はちゃんと立ち直って生きて行ける。
そんな気持ちに自然になれる、優しい励ましの詰まった本だと思います。
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とりこさんのブログで紹介されていた「太陽のパスタ、豆のスープ」を読みました。
挙式2ヶ月前に婚約破棄された20代後半の女性が主人公。文章も彼女の一人称。
しかし、私は年代的により近い、主人公の...
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新刊シリーズ、ラスト。
宮下奈都。
この人は本当に成長する女性を描くのが上手いなぁ。
婚約破棄されて凹みまくっている主人公が立ち...
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