「このミステリーがすごい!2000年版」第10位!
繊細な視線で描かれた物語が、心の奥底に潜むミステリアスな風景を呼び覚ます…。
第16回小説推理新人賞受賞作「眠りの海」ほか
「祈灯」「蝉の証」「瑠璃」「彼の棲む場所」の、5作品を収録した処女短編集。
再読。作品全体に流れる優しい透明感の中、哀しくなるほどせつない短編集。
いろいろな「失われたもの」「もう手に入らなくなってしまったもの」。
いずれも大きな喪失を体験し、人生の一部を損なってしまった過去がある登場人物たち。
共感よりも、食い入るように見つめる価値のある美しさを持った作品集と思います。
清冽。透明感。ガラスのような硬度。抑制の利いた文章の行間に漂っている死の気配。
決して前面に出ず淡々としているからこそ読後に余韻がいつまでも残ります。
喪失と再生というテーマこそ月並みだけど、やっぱり本書は独特。
傷を傷として受け入れ絶望と希望が錯綜する薄明の中、折り合いを付け生きる道を示唆。
洗練された会話により、どんどん引き込まれていく感じが心地良いです。
前向きになれるラストが読む人を元気にしてくれるように感じられます。
喪失「MISSING」本多孝好さんの特徴、機知に富む文章がとても好きです。

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「MISSING」本多孝好
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このような短編集が好きです。 以前読んだことがあるものでは、浅田次郎の『見知らぬ妻へ』というのが割と似ているかもしれないと、記憶しています。 要するに、生きることに不器用な人間が、その不器用さ故に、平凡なはずの日常にさざ波立ててしまう──そんな様子…
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[著者]本多孝好
[出版社]双葉社 双葉文庫
[初版発行]2001年11月20日
[感想等]
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MISSING (双葉文庫) 作者: 本多孝好 出版社/メーカー: 双葉社 発売日: 2001/11 メディア: 文庫 購入: 8人 クリック: 63回 この商品を含むブログ (139件) を見る 書店のレヴュー 第16回小説推理新人賞受賞作「眠りの海」を含む処女短編集。「眠りの海」はいかにもデビュー
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MISSING (双葉文庫)(2001/11)本多 孝好商品詳細を見る
前書き
両親はどちらもいなかった。事故で二人ともいない。
私は、東京にいた伯母の家に預けられ、そこで育てられた。私は、愛情を持って接してくれ...
MISSING本多 孝好 (2001/11)双葉社 この商品の詳細を見る
あれー、これamazonで画像ないんだ。けっこう装丁好きなのに、残念…。
有隣堂のお薦め本の中の1冊に同作者の「MOMENT」がありますた。
たし...
MISSING (双葉文庫)著者:本多 孝好販売元:双葉社Amazon.co.jpで詳細を確認する そうそう、この頃が好きだったんだけど、な本でした。2002年か……もう8年前になるんですね。最後に収
コメント&トラックバックありがとうございます。
純文学とミステリーがいい感じで混ざった作品でしたね。
またよろしくお願いします。