そこへ行けば、救われるのか。
富士の樹海に現れた男の導き、死んだ彼女と暮らす若者の迷い、命懸けで結ばれた相手への遺言、
前世を信じる女の黒い夢、一家心中で生き残った男の記憶…光と望みを探る七つの傑作短篇。
目次・森の奥/遺言/初盆の客/君は夜/炎/星くずドライブ/SINK
「死」にまつわる話。重苦しい内容かと思ったけど、救いのある話が多かったです。
明るいトーンのものからずっしりしたものまでずらり並んだ見事な短編集。
最初の青木ヶ原樹海の話。登場人物は自殺志願の男と、サバイバルゲーム中の若者。
一見、単純に生と死を対比させる話かと思っていたら、意外な展開にビックリ。
憎めない自殺志願の男があわてふためく様子がコミカルでちょっと笑えます。
「遺書」も奥さんとの思い出話が滑稽だったり、死とは裏腹にほわっとした気分に。
ある話では、生と死の違いに触れていて確信をついていたので心揺さぶられました。
死がモチーフになっていますが、実は「生」がテーマだったんじゃないかって思います。
怖くない幽霊譚も含む「天国旅行」三浦しをんさんのしんみりと心に響く短編集です。

タイトルおよび巻頭の歌詞はTHE YELLOW MONKEY『天国旅行』(作詞吉井和哉)、収録のCD。
COMPLETE SICKS THE YELLOW MONKEY 楽天からも購入できます。
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「天国旅行」三浦しをん
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心中をテーマにした短篇集。
追記は他の読者様の感想コメントなんかを見てちょいと思うところがあったので。
メモ程度ですが、ネタバレ注意。
拍手してくださった方、ありがとうございました。
「天国旅行」 三浦しをん著 新潮社
「心中」がテーマの短編集。
どれもそこそこ面白かったけど、
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...
『天国旅行』 三浦しをん
「心中」をテーマとする短編集。
首吊りに失敗した男と、それを見ていた男。長い人生の間、何度か共に死ぬことを考えたことのある妻へ夫が遺す遺書。何十年も先に逝った二...
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新刊シリーズ第四弾。
良くできた短編集です。
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心中をテーマにした短編集です。でも、そのあたりは知らずに読んだので、命を懸けた分かれ道のお話のような気がしました。なんとなく、相手に試されているシーンが心に残っていて、命を懸けてでも相手の望むことが出来るのか・・・そんなことがあったとして私はそこまで思...
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