失恋ばかりの、私の体。私は彼のことが、本当に、好きだった。
32歳。気づいたら、恋に落ちていた。軽い気持ちだった、知らなかった、奪えると思った。
なのに、彼と関係を持ってから、私は笑えなくなった。
恋は終わる。でも、想いは輝く。極上の失恋小説。
西加奈子さんの本の主人公には、いつも感情がぐいぐい引っ張られてしまいます。
この本もそうでした。どこか不器用で、でも正直に生きている30代の女性が恋をする。
もうどうしようもなくなると分かっていても、その人を追いかけてしまう。
こういう恋のはじまりってあると思う。その人の外見や性格なんかわからなくても、
一枚の絵から激しい魂の叫びを感じてしまったら、きっと恋に落ちてしまうでしょう。
恋をすることは生きることとイコールで、本能でその人を求めてしまいます。
怖いけど、「あかん人」になってボロボロになっちゃうんだろうけど、
私も若いうちにこんな恋を一生に一度くらいしてみたかったです。
生きるって、人を好きになって、苦しんでもがいて、
でも、次の日を生きていくことなんだなって改めて思いました。
人生の一つ一つの出会いがいとおしい、そんなことを感じさせて元気をくれる小説です。
読み終わったあと、何だかこの本を抱きしめてしまう、そんな本でした。
心に「白いしるし」西加奈子さんの重くって苦しかったけど生命力にあふれた作品です。
楽天からも購入できます。
「白いしるし」西加奈子
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白いしるし 作者: 西加奈子 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2010/12 メディア: 単行本 クリック: 5回 この商品を含むブログ (12件) を見る 失恋ばかり繰り返し気がつけばもう32歳の主人公。特に何か大きなストーリーがあるわけではないし、事件が起こるわけでもない。
白いしるし 作者: 西加奈子 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2010/12 メディア: 単行本 クリック: 5回 この商品を含むブログ (12件) を見る 画家志望の夏目香織32歳。友人の瀬田(写真家)に誘われて個展に出掛け、一目見て好きになった白い富士山の絵……。 運命の人に
読み終わると、まるで白いモヤの中にいるようだった。
鼻先に絵の具の臭い。指先に白い絵の具が付着しているかのように、重い。
現実的でありそうで、私の周りでは出会えそうもないストーリーでR。きっと、...
白いしるし(2010/12)西 加奈子商品詳細を見る
何故かしら、なかなか読み終えれない作品でした;
こういうの、失恋小説っていうのかな。
甘くない恋愛。
好きな人の好きな人。
修復のきかない関係を後悔...
不器用で、誰かを愛すると、自分のすべてを投げ出して愛してしまうような32歳の私、
読みやすかった。すらすら読めた。身構えなくてもいい。無理しなくてもいい。「かっこいいだろう」なんて言わない。「うまいだろう」とも言わない。「新しいだろう」なんて、もち ...
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