日比野涼子は桜宮市にある未来医学探究センターで働いている。
東城大学医学部から委託された資料整理の傍ら、
世界初の「コールドスリープ」技術により
人工的な眠りについた少年・佐々木アツシの生命維持を担当していた。
アツシは網膜芽腫が再発し両眼失明の危機にあったが、
特効薬の認可を待つために五年間の“凍眠”を選んだのだ。
だが少年が目覚める際に重大な問題が立ちはだかることに気づいた涼子は、
彼を守るための戦いを開始する―
“バチスタ”シリーズに連なる最先端医療ミステリー。
ヒロインの日比野涼子は複数の外国語を操り、医学の知識も豊富な帰国子女。
ゲーム理論の第一人者・曾根崎伸一郎教授とのメールのやりとりと技術者・西野昌孝。
ふたりに翻弄され、自身の知識ではなく“心”を見つめるようになります。
毎度のことですが、医療問題を織り込む医療エンターテイメントは著者の真骨頂。
法律が医療技術に追いつかず「ドラッグ・ラグ」が発生している現実。
これを乗り越えるため、「コールド・スリープ」という架空の技術を登場させます。
そしてコールド・スリープを有効にするための架空の時限立法「人体特殊凍眠法」。
組み立てが少しややこしい、その法律の抜け穴がミステリーの核となっています。
最初は黒ずくめのスーツで登場した破天荒でマッドな技術者・西野昌孝が印象的。
「死神」扱いされて、医療を理解しないエンジニアという人物かと思いました。
いつの間にか、かなり人間味のあるキャラクターに変貌して驚き。
全編を通して涼子の葛藤や繊細な気持ちの動きの描写が見事。
悲しい献身。そこに至るまでの過去をもう少し掘り下げて欲しかったです。
回想シーンに登場するノルガ共和国の名もなき医務官は、あの外科医ではと推測。
神話の趣き「モルフェウスの領域」海堂尊さんの直接的な続編は難しそうな好作品。

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海堂尊著、角川書店刊、2010/12
『ナイチンゲールの沈黙』で端役に過ぎなかった佐々木アツシくんのその後についての話です。
海堂尊著 2010年角川書店刊 野生時代に2009年~2010年に連載されたものを大幅改稿した作品とのこと。 いつものとおりの2部構成で“第一部 凍眠”“第二部 覚醒”となっている。 “モルフェウス”とは“眠りを司る神”とのことで、『ナイチンゲールの沈黙』で登場した網膜芽
モルフェウスの領域 作者: 海堂尊 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング) 発売日: 2010/12/16 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 22回 この商品を含むブログ (46件) を見る 「ナイチンゲールの沈黙」に登場していたレティノ(網膜芽腫)の少年アツシ君
海堂尊著 2010年角川書店刊 野生時代に2009年~2010年に連載されたものを大幅改稿した作品とのこと。 いつものとおりの2部構成で“第一部 凍眠”“第二部 覚醒”となっている。 “モルフェウス”とは“眠りを司る神”とのことで、『ナイチンゲールの沈黙』で登場した網膜芽
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-内容-
桜宮市の未来医学探求センターを中心に「コ
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今後とも、よろしくお願いします。