子どもだけではなく大人も楽しめる数少ない作品である。
もしこの作品を楽しめなければ、それは、
読者が童心を忘れて久しいことを示す、なによりの証拠だ。
…主人公のマックスは、オオカミの着ぐるみを着てやったいたずらの罰に、
夕食ぬきで寝室へ追いやられる。
ところがびっくり、部屋はいつの間にか森になり、
マックスはそこで思う存分あばれ、遊びはじめる…。
センダックのカラーイラストは美しい。
おそらく彼の作品の中で最高のできであり、
読者はページをめくるごとに新しい驚きに包まれる。
不格好なパーツをそなえた体、大きすぎる目、といった野生の生きものたちは、
かたや震え上がるほど恐ろしげに見えると思えば、
とてつもなくユーモラスで快活な姿でページに登場したりもする。
文章がふてぶてしいほど次から次へと繰り出されるのがセンダックの特徴だが、
こういったテキストのトーンのおかげで、
夢の国と子どもの空想世界との間に漂う意識の流れが、
ストーリーの中にそっくりそのまま、とうとうと流れている。
このおとぎばなしは、子どものころオオカミの着ぐるみの中で経験した
あの忘れがたい気持ちよりももっと、ワクワクする感じを味わわせてくれる。
読み終わった後には、「我が家に勝るものなし」とあらためてうなずかせられるのである。
かいじゅうの国をたずねよう。コルデコット賞を受賞し、
世界中の子どもたちをひきつけてやまないセンダックの代表作。
子どもの内面のドラマをみごとに描いて、今世紀最高の絵本といわれています。
絵本作家モーリス・センダックさんが5月8日に亡くなりました。83歳。
脳卒中による合併症のためコネチカット州の病院で亡くなったとのことを
ハリウッド・レポーターほか多数の米メディアが報じました。
1964年発表された「かいじゅうたちのいるところ」でコールデコット賞
(アメリカの最も権威のある児童書の賞)を受賞、世界的に有名な絵本作家に。
その後も「まどのそとの そのまたむこう」で全米図書賞を受賞しています。
2009年には『マルコヴィッチの穴』や『アダプテーション』などでお馴染みの
スパイク・ジョーンズ監督が「かいじゅうたちのいるところ」を実写化しています。
1文が短い文章でリズム良く、読んでいて気持ちが良いです。
絵がとても細かく、マックスや怪獣達の表情も豊かです。
この作品の素晴らしい魅力はみなさんご存知の通りです。
「かいじゅうたちのいるところ」モーリス・センダックさん、ご冥福をお祈り致します。



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「かいじゅうたちのいるところ」モーリス・センダック
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