夏休みを伯母一家が経営する旅館で過ごすことになった少年・恭平。
仕事で訪れた湯川も、その宿に滞在することを決めた。
翌朝、もう一人の宿泊客が変死体で見つかった。
その男は定年退職した元警視庁の刑事だという。
彼はなぜ、この美しい海を誇る町にやって来たのか…。
これは事故か、殺人か。湯川が気づいてしまった真相とは―。
ガリレオ長編の第3作目。夏の海と太陽のもとでストーリーが進行する美しい作品。
海の描写が素敵で、読み進むうちに本当にこの海の近くにいるような感覚になります。
物理的トリックの希薄さ、殺害の動機の不透明さや、ありがちな過去の秘密等々。
気になる点はいくらかありましたがこのシリーズ内ではかなり読み応えがありました。
ガリレオシリーズとしては謎解きに関する理科系度はあまり高くないものです。
が、これはシリーズを超越して、東野圭吾が描く“人間くささ”のドラマと思います。
いつものようにクールで理屈っぽい所はそのままですが、子ども嫌いな湯川に変化。
湯川と恭平の関わりが微笑ましく、気に入られた恭平のキャラが良かったです。
恭平を救いたい湯川の心の葛藤に他のシリーズにない人間味が感じられます。
自分を導いてくれる大人との出会い、あの行為の重さを受け止めた少年の成長物語。
救われる「真夏の方程式」東野圭吾さんの心地よい余韻を味わえた一冊です。

楽天からも購入できます。
「真夏の方程式」東野圭吾
「真夏の方程式」東野圭吾
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最近本は図書館で借りることにしています。
東野圭吾は最近のものを除いてほとんど読んでいます。
真夏の方程式はかなり前に予約していてようやく順番がまわってきました。
白金ジャックやプラチナデー...
加賀恭一郎シリーズ最新作『麒麟の翼』の後に購入した東野圭吾さんの作品『真夏の方程式』。教授として大学に勤める湯川学が事件の謎解きを物理学者の視点で行うこのシリーズは、フジテレビの月9ドラマにもなり話題になりましたね。 自分は通勤時や昼休みの短い時...
東野圭吾著 2011年文藝春秋刊 初出 2010年「週刊文春」 ガリレオシリーズの長編としては『容疑者Xの献身』『聖女の救済』に継ぐ第3弾。 子供嫌いのはずの湯川先生が子供の夏休みの宿題を手伝ったり、捜査を積極的に手伝ったり、少し変化してきている。子供と一緒にやる実験
真夏の方程式
東野圭吾・著 (文藝春秋 2011/6 文字/小 413ページ)
ガリレオシリーズ最新刊。
(BOOKデータより)
夏休みを伯母一家が経営する旅館で過ごすことになった少年・恭平。仕事で訪れた...
ガリレオシリーズです。寂れた観光地で海を守る女性と海を冒す側として来た湯川教授と温泉宿の親戚の家に遊びに来た少年のお話です。温泉宿のお客が不審な死を遂げ、珍しく湯川教授が調査に乗り出します。その理由とは・・・。
相変わらずテンポ良く物語りは進みます。な...
真夏の方程式 作者: 東野 圭吾 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2011/06/06 メディア: ハードカバー 購入: 7人 クリック: 60回 この商品を含むブログ (89件) を見る 「真夏の方程式」東野圭吾(ウィキ)東野圭吾(ウィキ)あらすじ(アマゾンより)夏休みに美しい海辺の
真夏の方程式(2011/06/06)東野 圭吾商品詳細を見る
19日~21日。
ガリレオシリーズですね。
今回の舞台は玻璃ヶ浦という架空の場所。
大阪と東京の間あたりにあるのかなぁ?と思われる。
『海底...
真夏の方程式(2011/06/06)東野 圭吾商品詳細を見る
ガリレオシリーズの新作を読みました。
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夏休みを伯母一家が経営する旅館で過ごすことになった少年・恭平。
仕事で訪れた湯川も、その...
真夏の方程式東野 圭吾 文藝春秋 2011-06-06自己評価:
夏休みを伯母一家が経営する旅館で過ごすことになった少年・恭平。仕事で訪れた湯川も、その宿に滞在する。翌朝、もう1人の宿泊客で元刑事の男が変死体で見つかり…。ガリレオシリーズ長編。
第九位『週刊文?...
真夏の方程式(2011/06/06)東野 圭吾商品詳細を見る
ガリレオシリーズです。子供嫌いなはずの湯川の、少年との絡みがミソになる作品です。
このシリーズは割とインドアな舞台が多かったような気がするので...
真夏の方程式 作者: 東野 圭吾 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2011/06/06 メディア: ハードカバー 購入: 7人 クリック: 60回 この商品を含むブログ (89件) を見る ミステリとしての肝は弱く真相もありがちと言えばありがちなので、「献身」「救済」には及ぶべくもない
その夏、少年が出会ったのは<博士>だったー
君は科学の楽しさを知らない。
この世は謎に満ちている。
夏休みを伯母一家が経営する旅館で過ごすことになった少年・恭平。仕事で訪れた湯川も、その宿に滞在すること?...
真夏の方程式 作者: 東野 圭吾 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2011/06/06 メディア: ハードカバー 購入: 7人 クリック: 62回 この商品を含むブログ (89件) を見る もはや湯川イコール福山某のイメージで洗脳されてしまったガリレオシリーズ。今回は湯川と今どきの冷め
真夏の方程式 東野 圭吾(著) ガリレオシリーズ第6弾。 5弾を読まずに6弾。 続きものではないようなのでまぁいいだろう・・・。 両親の仕事の都合で夏休みを伯母一家が経営する
いろいろブログ読ませて頂きます。
ブログ初心者なもので・・
トラックバックちゃんとできてればよいのですが(^^;;