「ストーリー・セラー」有川浩

このままずっと小説を書き続けるか、あるいは……。
小説家と、彼女を支える夫を突然襲った、あまりにも過酷な運命。
極限の選択を求められた彼女は、
今まで最高の読者でいてくれた夫のために、物語を紡ぎ続けた――。
「Ｓｔｏｒｙ　Ｓｅｌｌｅｒ」に発表された一編に、
単行本のために書き下ろされた新たな一篇を加えて贈る完全版！

同名雑誌に掲載されたＳｉｄｅ：Ａに対を成すＳｉｄｅ：Ｂを加え完全版として出版。
女流小説家を主人公にした恋愛小説２編。同じモチーフですが、まったく別の物語。
共通点は互いを大切に想いあう一組の夫婦が主要登場人物。
献身的に妻を支えている夫、そんな二人に死が残酷に忍び寄ってくる展開。
Ｓｉｄｅ：Ａはひらがなでやるせないほど熱い強い想いを伝えられることに驚愕。
Ｓｉｄｅ：Ｂはどこからどこまでがフィクションで現実なのかと考えてしまいました。
どちらかといえば淡々とストーリーが進められているからこそ感じるリアリティ。
互いへの尽きせぬ想い、まっすぐに相手を見つめる凛とした想いが終始漲っています。
途方もない願いでもいつまでも、二人で一緒にいたいという、ささやかな願い。
Ｓｉｄｅ：ＡにもＳｉｄｅ：Ｂにも、散々泣かされながら読みました。
どちらも夫婦の情愛の濃やかさ、親密で素敵な夫婦像に憧れ心を動かされます。
十八番のベタ甘は無。「あたしは、この物語を売って逆夢を起こしに行くのだから。」
謎と涙の「ストーリー・セラー」有川浩さん、どこまで本当なんですか？贅沢な一冊。

ストーリー・セラー 有川浩

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「ストーリー・セラーＳｔｏｒｙ　Ｓｅｌｌｅｒ」有川浩